2011 Fiscal Year Annual Research Report
保健師の倫理的実践に関わる自治体行政組織のエスノグラフィー
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22659434
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Research Institution | St. Luke's College of Nursing |
Principal Investigator |
麻原 きよみ 聖路加看護大学, 看護学部, 教授 (80240795)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 若菜子 聖路加看護大学, 看護学部, 助教 (50550737)
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Keywords | 保健師 / 倫理 / 実践 / 行政 / 自治体 / 組織 / スノグラフィー |
Research Abstract |
本研究の目的は、保健師の日常の倫理的ジレンマを生じさせ、倫理的実践を困難にする自治体行政組織の文化を明らかにすることである。平成23年度は、倫理に関する文献検討を進め、研究計画書を作成、研究倫理委員会の承認を得た後、2つの行政組織(自治体)にフィールド調査を施行した。 1.文献検討:行政組織、行政に所属する保健師実践に関する文献検討を行った。英文献18件、和文献23件の内容をエクセルファイルに整理し、文献ツールを作成した。 2.フィールド調査:研究計画立案に向けて、研究の焦点、研究方法について、研究者間で検討し、研究を遂行した。平成23年10月から、2つの行政組織に対して、調査内容について説明し、研究を施行する調整を開始した。平成24年1月に聖路加看護大学研究倫理委員会に研究計画書を提出、承認後、平成24年1~2月には、自治体の職員(保健師、保健師以外の専門職および行政職等)計28名にインタビューを実施した。また、フィールドにおいて参加観察を実施した、既存の資料の検討として、人材育成に関わる資料、保健師業務に関する資料、自治体の基本構想および行政計画、保健医療福祉計画、年間の事業計画等、許可が得られた資料を収集した。現在、分析中であり、保健師の日常の倫理的ジレンマを生じさせ、倫理的実践を困難にする自治体行政組織の文化を明らかにしていく。保健師の倫理的ジレンマを避け、効果的に対応するための方法、行政組織の事務職や他の専門職と協働する実際的方法、行政組織文化変容のためのポイントと方法を明らかにし、行政組織文化の変容をもたらすOJTに焦点を当てた倫理教育プログラム作成のためのアクションリサーチへの示唆を明確にしたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
文献検討、フィールド調査(インタビュー、参加観察、既存の資料の検討)等、順調に実施することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の今後の推進方策としては、特に問題はないと考えている。平成24年度は、フィールド調査の結果を分析し、保健師の倫理的実践がよりよいものになるよう、結果の公表、普及に向けて取り組んでいきたい。
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