2010 Fiscal Year Annual Research Report
無線電力伝送によるパーペチュアルセンサネットワークに関する研究
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22680004
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
川原 圭博 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 講師 (80401248)
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Keywords | 無線電力伝送 / 電磁界共振結合 / エナジーハーベスティング |
Research Abstract |
本研究は、無線センサネットワークの実用化の障壁になっているエネルギー供給問題に対して、電磁界共振結合技術を用いた解決策を示す。具体的には、データと電力をセンサノード間で無線伝送し、系としての長寿命化を目指す革新的なアーキテクチャの確立を目的とし、無線電力伝送のハードウェア技術だけでなく、各ノードの蓄電量,電力の伝送距離と伝送効率を考慮した通信プロトコルを含めた包括的なネットワークセンシングアーキテクチャの実現を目指す.この目的を達成するために、本年度は電磁界共振結合技術を用いてマルチホップで電力をやり取りするためのアーキテクチャの検討と、等価回路の評価を実施した。共振器を格子状に配置し任意の点の間で電力をやり取りするとき、最短経路が必ずしも伝送効率の点で最適にはならなず、方形領域の頂点をとるように共振条件を制御する必要が生ずる。この現象は実験的に観測されていたが等価回路は必ずしも示されていなかった。本研究では共振器のインピーダンスを測定するとともに、共振器間の距離に応じた結合係数の変化を実験的に求めることで、実験結果を極めて正確に説明する等価回路を示した。また、伝送効率を改良するために、バンドパスフィルタ理論を用いた共振器の最適な結合係数を解析的に求めた。提案手法を実装し、実際にマルチホップで電力をやり取りできることを確認した。
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