2011 Fiscal Year Annual Research Report
無線電力伝送によるパーペチュアルセンサネットワークに関する研究
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22680004
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
川原 圭博 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 講師 (80401248)
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Keywords | 無線電力伝送 / 電磁界共振結合 / エナジーハーベスティング |
Research Abstract |
本研究は、無線センサネットワークの実用化の障壁になっているエネルギー供給問題に対して、電磁界共振結合技術を用いた解決策を示す。具体的には、データと電力をセンサノード間で無線伝送し、系としての長寿命化を目指す革新的なアーキテクチャの確立を目的とし、無線電力伝送のハードウェア技術だけでなく、各ノードの蓄電量,電力の伝送距離と伝送効率を考慮した通信プロトコルを含めた包括的なネットワークセンシングアーキテクチャの実現を目指す。 本年度は共鳴型無線電力伝送において給電を行いながら同時に通信を行う手法について,高効率な給電効率を維持した状態で、どの程度の通信路容量を確保し得るのかについて評価した。無線電力電送用アンテナを用いて生活空間におけるノイズの計測を行い、そのデータを元に、各ISMバンドにおいて送信する信号電力と通信路容量の関係を求め評価した。その後、より現実的な場面を想定し、正弦波をそれぞれ振幅変調,周波数変調,振幅変調した信号により実現され得る最大の通信速度の上限と下限を求めた。また、ノードの配置間隔と電力伝送効率は密接な関係があるが、既存の配置間隔の最適化手法は主に1対1で固定された機器間に向けたシステムを想定したものとなっているため、Nホップにおける設計とN+1ホップにおける設計を比較すると、単に中継共振器を1つ追加すればよいのではなく、全ての共振器間の結合係数を再調整する必要がある。それゆえ、受電端末が移動した場合に中継共振器をON/OFFしてパスを調節したとしても、高効率な給電を実現することは不可能であった。そこで、BPF特性を犠牲とする代わりに、ホップ数を変化させたい場合には中継共振器を追加/除去するだけで対応が可能となるような直線状マルチホップ無線電力伝送の設計手法について検討し、その有効性をシミュレーション及び実測により確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
センサノードの試作とエネルギールーティングプロトコルの確立をめざし、要素技術の研究開発を進める最適配置手法と整流回路の設計と実装ができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は、計画通り、センサネットワークテストベッドの構築とルーティングプロトコルの実装に取り組む。
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