2010 Fiscal Year Annual Research Report
CIVI方式3次元テレビジョンシステムの構築と遠隔操作への応用
Project/Area Number |
22680008
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
掛谷 英紀 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 准教授 (70334050)
|
Keywords | ボリュームディスプレイ / 多視点ディスプレイ / 収差 / 歪み補正 / リアルタイム / GPU / 色収差 / 偽像 |
Research Abstract |
昨年度は、粗インテグラルボリュームイメジング(CIVI)方式のディスプレイの画質の向上と描画速度の向上を実現した。具体的には、偽像の除去、歪み補正の高精度化、色収差の補正、GPU計算による補正計算の高速化を実現した。これらは全て、遠隔操作時においてより高精度の操作を可能にするために必要不可欠な要素となる。また、CIVI方式のように輻輳調節矛盾を解決する立体提示法において、奥行き知覚精度が向上することも確かめた。 さらに、表示装置を薄型するために、多層パネルを積層する方式における輝度向上手法も確立した。具体的には、モノクロ多層パネルの間の偏光板を外し、最前面と最背面のみに偏光板を配置しつつ、ボリューム表現を行う手法を確立し、提示画像のモアレの低減と輝度向上を実現した。 テレビジョン実現のための撮像系については、粗インテグラルボリュームイメジング方式の前段階となる、粗インテグラルイメジング方式(CII)に対応するカメラシステムを実現した。撮像系は、従来知られている凹レンズアレイによるものをベースにしているが、CII方式の場合、粗なレンズで発生する像の歪みを補正する必要がある。そこで、レンズによる像歪みを光学シミュレータで計算し、それに応じた逆歪みの画像をテクスチャマッピングの技術を用いてリアルタイムに生成するシステムを構築した。さらに、撮像系と表示系の歪みを同時に考慮し、トータルで表示系での歪みが補正される方式を開発し、その実装を行った。 以上の成果により、CIVI方式で実写のリアルタイムテレビジョンシステムを構築するための基礎的な準備が整った。
|