2011 Fiscal Year Annual Research Report
CIVI方式3次元テレビジョンシステムの構築と遠隔操作への応用
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22680008
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
掛谷 英紀 筑波大学, システム情報系, 准教授 (70334050)
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Keywords | CIVI / モアレ / 輝度 / 視野角 / 運動視差 / 解像度 / フォーカス / ステレオマッチング |
Research Abstract |
CIVIテレビジョンシステムのうち、表示系については以下の3つの成果があった。1つ目の成果は、薄型CIVI装置において、パネル重畳により発生するモアレを低減するとともに輝度向上を実現したことである。具体的には、モノクロパネルの積層においてパネル間の偏光板を取り除いた構成をとり、その光学系で正しい立体像が観察可能な描画方法を確立した。2つ目の成果は、像面生成位置付近に目が細かく要素レンズの焦点距離の長いフライアイレンズを挿入する構成の提案である。これにより、モアレの除去と滑らかな運動視差提示が実現された。3つ目の成果は、レンズアレイの要素レンズとして偏心レンズを用いる方法の提案である。従来のCIVIにおいては、パネルの解像度を高めない限り、多視点画像の視点数と提示画像の解像度の間にあるトレードオフを解消することができなかった。要素レンズに偏心レンズを用いることで、より広面積のパネルから歪みのない要素画像を取り込むことが可能となり、ベゼル幅を大きくすれば、視点数(運動視差の滑らかさおよび視野角の広さに寄与)を犠牲にせず提示画像を高解像度化することが可能となった。 撮像系については、フォーカスによる奥行き推定とステレオマッチングによる奥行き推定について研究を行った。前者については、提案した構成では、レンズの歪みが大きすぎることにより、正確な奥行き推定ができないことが分かった。後者については、シミュレーションレベルでその有効性を確認し、表示系と組み合わせて自然な立体像を提示できることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
表示系については画質の改良が順調に進んでいるものの、撮像系の構築に遅れが出ている。昨年度はカメラのフォーカスを使った奥行き推定を中心に研究を行ったが、レンズの収差が予想以上に大きく、適切な奥行き推定はできていないことによる。
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Strategy for Future Research Activity |
H24年度は、ステレオマッチングによる奥行き推定に加え、kinectセンサを使った奥行き推定を多視点映像取得に組み合わせる手法を実施する予定である。この方法によれば、リアルタイムに精度の高い奥行き情報が取得可能であるので、CIVIへ表示するために必要な情報取得が全て可能になると期待される。
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Research Products
(9 results)