2012 Fiscal Year Annual Research Report
力学変容系としての人の運動理解と次世代人型ロボット制御の基盤構築
Project/Area Number |
22680018
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
杉原 知道 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70422409)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 運動制御 / ロボティクス / 非線形力学系 / 身体科学 |
Research Abstract |
本研究の目的は、人の運動を、身体・環境・制御器の三者が生み出す「力学系の変容」として理解する新たなパラダイムを確立すること、およびこれに基づいて、人型ロボットの多様な全身運動を統一的に実現する大域的安定な制御器設計のための基礎理論を開発することである。本年度得られた成果は次の通りである。 1.昨年度行った1回目運動計測実験の結果を元に、人の立位安定化運動制御器の同定を行い、その大域的な力学系構造を可視化した。制御の理論モデルとの共通点・相違点を定量的に明らかにした。相違点が生じた原因をモデルの数学的性質に基づいて考察し、それを確認するための追加実験プロトコルを考案した。これに基づいて2回目の運動計測実験を行った。東京大学情報理工学系研究科力学制御システム研究室のご協力を頂き、再度立位安定化運動を計測した。また、本課題の将来的展開に備え、歩行・走行・跳躍運動の計測も行った。これらの結果に基づいて、再度、被験者の立位安定化運動制御器の同定を行った。提案したプロトコルが期待通りの効果(試行のばらつき抑制、モデルとの誤差要因の明確化)につながったことを確認した。 2.懸案であった、立位安定化運動がはらむ、運動中に系の支配方程式が切り替わる問題について議論し、区分線形力学系の同定問題として定式化した。逐次最小二乗法を応用して支配方程式の切り替わり点を検出し、同定精度を高める方法を提案した。その結果、同定された力学系の陽な数学的表現と制御器の構造が整合することを確認した。 3.慣性系に対する人型ロボットの体幹変位を、サンプリングレートが比較的高い内界センサのみを使って推定する方法を提案し、シミュレーションで評価した。 4.複雑環境内で人型ロボットが自律的に移動するための身体誘導アルゴリズムを提案し、シミュレーションで評価した。ここでも比較的低次元な身体表現が有効であることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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