2010 Fiscal Year Annual Research Report
次世代シークエンサーを用いた対立染色体配列の決定と発現解析法の精度向上
Project/Area Number |
22680023
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
竹中 要一 大阪大学, 情報科学研究科, 准教授 (00324830)
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Keywords | バイオインフォマティクス / 次世代シーケンサー / 対立染色体配列 |
Research Abstract |
次世代シークエンサーから供給される大量の塩基配列データの効果的かつ効率的な利用を推進するため,本研究では,対立染色体,対立遺伝子の配列を高速に決定する手法の研究を行う.本研究の直接的な成果は,塩基配列のマッピング率の向上とそれに伴う廃棄データの削減,そしてハプロタイプ解析能力の向上があげられる. 研究期間1年目の今年度は,従来のマッピング法の結果を利用して対立染色体の塩基配列の復元及びマッピングを行う間接マッピング法の研究を実施した.対立染色体の配列を考慮しない従来のマッピング法の結果を基に,次世代シークエンサーからえられるショートリード長以内に存在するマッピングされた塩基の異なる複数地点の頻度統計を用いて対立染色体の配列を復元する手法を考案した.また復元された配列に対して,再度のマッピングを行った結果,ショートリードのマッピング率が向上した. 上記の成果はcDNA(mRNA)に基づく実験資料を基に行った.ゲノムDNAについては塩基の変異率が遺伝子のコーディング領域よりも高いため,また計測されるショートリードのカバー率が低いため,対立染色体配列の変異なのか,シーケンサーエラーによる偶然の一致なのかを判別する必要がある事が明らかになった.そのため,カバー率を上げるためにも,より長い編集距離を許容するマッピング手法を用いる必要がある.しかしながら,現在主流であるBWTに基づくマッピングアルゴリズムでは高々3編集距離しか許容しないため,新たなアルゴリズムを開発し,利用する必要がある事が明らかとなった.
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Research Products
(9 results)