2011 Fiscal Year Annual Research Report
次世代シークエンサーを用いた対立染色体配列の決定と発現解析法の精度向上
Project/Area Number |
22680023
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
竹中 要一 大阪大学, 情報科学研究科, 准教授 (00324830)
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Keywords | バイオインフォマティクス / 次世代シーケンサー / 対立染色体 |
Research Abstract |
次世代シークエンサーから供給される大量の塩基配列データの効果的かつ効率的な利用を推進するため、本研究では、対立染色体、対立遺伝子の配列を高速に決定する手法の研究を行っている。本研究の直接的な成果は、塩基配列のマッピング率の向上とそれに伴う廃棄データの削除、そして葉プロタイプ解析能力の向上が挙げられる。研究期間の一年目では、従来のマッピング法を利用して対立染色体、対立遺伝子の塩基配列の復元及びマッピングを行う間接マッピング法の研究を実施した。 研究期間2年目である今年度は、一年目で行った間接マッピング法の結果を利用した直接マッピング法の研究を実施した。直接マッピング法では、従来のマッピング法と異なり対立染色体の存在を考慮した方法である。これにより、間接マッピング法よりも高いマッピング率が得られる事を確認した。またこの結果がマッピング率以外の解析、例えばSNip解析にも役立つ事を明らかとした。これらの実験にはcDNA(mRNA)に基づく実験資料であるRNA-Seqのショートリードを用いた。これは、ゲノムDNAについては塩基変異率が高いため、対立染色体配列の変異なのかシーケンサーエラーによる偶然の一致なのかを判別する必要があるが、これは許容編集距離の短いBWAに基づくマッピングアルゴリズムでは困難なためである。これに対しては、DNA配列の完全線形符号化が有効であるという結果を発表する事ができた。並列化については、本手法におけるデータ転送量が多く、Hadoopに基づく手法は効率が悪い事が明らかとなった。今後はMPI等を利用した手法に移行する必要があると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の目的である対立染色体、対立遺伝子を考慮したショートリードのマッピングに関する研究は,頂調にすすんでおり、学会における研究発表も順調に推移している。また、BWTの欠点を克服するためのアイデアの検証が終わり、こちらも発表を行えている。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は当初の計画通り、今年度までの研究成果を利用したクラスタリング解析、発現制御解析、エピジェネティック解析を実施する。
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