2010 Fiscal Year Annual Research Report
ショウジョウバエの求愛行動を経験依存的に調整する嗅覚情報処理機構
Project/Area Number |
22680026
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
江島 亜樹 京都大学, 生命科学系キャリアパス形成ユニット, 助教 (00548571)
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Keywords | 神経科学 / 行動学 / 昆虫 / 生理学 |
Research Abstract |
私たちは自身を取り巻く複雑な環境からどのように必要な情報を得、応じた行動判断を行っているのか?キイロショウジョウバエのオスは、自らの求愛経験や周囲の環境の変化に応じてフェロモン感受性を変化させ、求愛活動の効率化をはかっている。 キイロショウジョウバエの嗅神経は嗅覚系一次中枢領域である触角葉の特定領域に軸索をのばし糸球体構造を作っている。本研究では、触角葉における情報コーディングの生理学的基盤を明らかにするため、キイロショウジョウバエの遺伝子強制発現系であるGAL4-UASシステムを用い、各フェロモン受容体神経特異的に神経活性マーカー遺伝子を発現させ後頭部に観察窓を開けた生きた動物を用いたin vivoリアルタイムイメージングを行った。この神経の活性を測定するin vivoリアルタイムイメージングと、RNAiや神経活性を制御する阻害因子を用いた行動解析の二つの手法を用い、動物の意思決定を制御する感覚情報処理機構の解剖学的および生理学的解析を行い、特に、求愛行動の促進および抑制にそれぞれ関与されるとされる2種類のフェロモン受容体神経回路が一次嗅覚中枢領域においてどのような制御・修飾を受けているのか、遺伝学的解析を行った。 初年度である平成22年度においては、神経伝達物質アセチルコリンの受容体の阻害が行動および神経活性の両方に影響する事を見いだし、嗅覚系一時中枢内におけるアセチルコリンの役割を明らかにした。
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