2010 Fiscal Year Annual Research Report
行動中のマウスにおける小脳ニューロンの活動とそのシナプス基盤
Project/Area Number |
22680031
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
喜多村 和郎 東京大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (60423159)
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Keywords | 神経科学 / 生理学 / パッチクランプ / 2光子イメージング |
Research Abstract |
覚醒マウスにおいて小脳ニューロンのホールセル記録と2光子励起イメージングによる解析を行った。無麻酔動物でのシナプス入力の定量的解析は、従来のいかなる方法を用いても非常に困難で不可能と考えられていたが、新たに開発した可視化ホールセル記録法では、無麻酔の動物においても長時間の良い状態の記録を高い成功率で行うことが十分に実現可能であった。頭部固定に馴化させたマウスにおいて、飲水運動中のマウスの舌運動とプルキンエ細胞の発火活動の同時計測を行い、行動発現と発火活動の関係を解析している。頭部固定下においても、マウスは自由行動下と同様の律動的な飲水行動を行うことが示された。プルキンエ細胞からのホールセル記録により、舌運動を行う直前にプルキンエ細胞の単純スパイクの発火率が一過的に減少すること、舌運動と同期して複雑スパイクの発火率が上昇することが観察された。現在、運動の律動性とプルキンエ細胞の活動について焦点を当てて解析を行っている。また、飲水行動のような中枢パターン生成器(CPG)を介した律動性の運動ではなく、随意運動発現時における小脳ニューロンの役割を解析するための、レバー押し課題装置の作成に着手した。これらの実験系において、電位固定法を用いることで、マウスの行動と小脳ニューロンへのシナプス入力の関係を調べ、平行線維および登上線維入力がどのような生理的情報を伝達し、プルキンエ細胞や介在ニューロンの活動が行動とどのように結びついているのかを直接的に明らかにする。
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Research Products
(7 results)