2011 Fiscal Year Annual Research Report
生殖細胞の機械的刺激応答機構および胚発育に及ぼす効果に関する研究
Project/Area Number |
22680036
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
松浦 宏治 岡山大学, 異分野融合先端研究コア, 助教 (70443223)
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Keywords | 精子 / 受精卵 / メカニカルストレス / 細胞内カルシウム濃度 / マイクロ流路 / 共焦点蛍光顕微鏡 |
Research Abstract |
卵管蠕動に伴う受精卵に負荷されるメカニカルストレス(MS)について、負荷されたMSとその細胞内応答を同時計測できるデバイスを目指して、シリコーンエラストマ-poly(dimethylsiloxane)(PDMS)製の厚さ0.1mmの薄膜を含むマイクロ流路と空気圧アクチュエータを組み込んだ卵管蠕動モデルとなる培養システムを開発した。図Aに示されるこのシステムを用いて、<1>マウス二細胞期から胚盤胞への発育評価、および<2>マウス胚盤胞の細胞内カルシウム濃度([Ca^2]_i)変化とその時に負荷されだMSを同時計測した。 <1>二細胞期から胚盤胞春の発育を、当システムを駆動して流路内の培地を動かした際(dynamic)とそうでない場合(static)と比較した。胚盤胞到達率においては駆動した培養区において有意に上昇した(dynamic,74%(n=126);static,62%(n=118);P<0.05)。胚盤胞内細胞数の平均についても有意に上昇した(dynamic,83±3(n=54);static,76±3(n=51)(P<0.05))。従って、マウス受精卵の最大移動速度が0.2mm/sとなる条件では、胚盤胞到達率および胚盤胞内細胞数が上昇することが確認された。 <2>当該システムを用いて、マウス胚盤胞におけるMSと[Ca^<2+>]_iについて同時評価した。[Ca^<2+>]_iを反映する蛍光色素Fluo-4AMを融解したマウス胚盤胞に添加し、マイクロ流路内に導入した。流路内で「回転」「並行移動」「圧縮」に伴うMSを負荷した状態の胚盤胞について共焦点蛍光顕微鏡観察を行った。受精卵が「回転」した際には最大蛍光強度変化は殆ど観察されなかった。40μm/sで「並行移動」する受精卵については、非常に短い時間であったが最大10%増加した。「圧縮」時の歪は約20%程度であり、応力-歪関係は25%程度までは線形に近似できることから、圧縮に伴う力は0.5-2.0μNと見積もられた。この際、共焦点撮影面内平均蛍光強度および蛍光強度の総和は10%程度増加した。従って、[Ca^<2+>]_iの変化は「並行移動」または「圧縮」が起こる際に観察された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
精子、受精卵ともにメカニカルストレスに対する応答を観測できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
〈精子〉候補となるイオンチャネルの阻害剤を添加した際の応答評価を進める。 〈受精卵〉受精卵のステージとメカニカルストレスに対する応答を調べる。
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Research Products
(18 results)