2010 Fiscal Year Annual Research Report
MRI環境下高精度画像診断・治療支援プラットフォームの開発
Project/Area Number |
22680043
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
正宗 賢 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 准教授 (00280933)
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Keywords | コンピュータ外科 / 医療機器 / MRI / 低侵襲治療 / 手術モデリング |
Research Abstract |
本研究では,次世代医療のモデルとなる,医用画像撮影・観察下において高精度な治療を行うためのインタラクティブな治療支援機器の基盤技術開発を行うことを目的とする.支援対象としてMRI下の悪性脳腫瘍摘出術を目的とした高精度診断用画像取得技術,画像重畳表示技術開発,手術プロトコルと手術デバイスとが連動したインテリジェント・アシスト手術の基盤技術の確立を目標としている. 本年度は初年度として基盤技術の調査・設計・試作を中心として以下を行った. (1)MRI対応アクチュエータの要素技術として,非磁性・非金属である樹脂性のギアおよびシリンダを用いた新しい原理による空圧ステッピングモータ(CPDモータ)を開発した.ギア配置の工夫により回転用,直動用のものを用意した.前者は直径30mm,20rpm時にトルク150mNmが得られた,後者は直径38,5mmであり,30msec/stepの速度で駆動時に24.8±0.7Nの押し込み力を得た.また,MRI下局所アンテナ搭載精密ロボットによる高精度広域MRI撮像の構築のため,CPDモータを用いたリンク機構による2自由度位置決めロボットを試作した.また,局所アンテナコイルの試作を行った. (2)細径光ファイバ束による軽量・ハンディ型非磁性画像重畳ディスプレイを開発した.既存の開発物よりファイバの経が細くなり,取り回し自由度が上がったが,画素数は少なくなった.また,位置合わせについては既存の三次元位置計測手法を用いたが,並行してMRIの傾斜磁場による位置計測法を検討した.また,より高解像度画像を表示するためのMRI室内外で使用できる携帯型拡張現実感システムを試作した.これらの基盤技術により術者は手術中容易に情報にアクセスできる. (3)MRI下脳外科治療のシナリオ可視化・同期システム開発を目指し,調査および基本設計方針の検討を行った.
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