2010 Fiscal Year Annual Research Report
義足使用者の運動状態・運動意図推定手法の確立とそれを応用した高機能股義足の開発
Project/Area Number |
22680046
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
内藤 尚 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教 (40392203)
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Keywords | 義足 / 運動状態 / 運動意図 / 動力義足 / 状態推定 / リハビリテーション工学 |
Research Abstract |
本研究課題では,義足使用者の運動状態および運動意図の推定手法を開発し,それを応用して高機能股義足の制御系を作成することで手法の有効性を検証する.本年度は,準備段階として,実験のための機器の選定・購入と予備実験を行うとともに,神経・筋骨格シミュレーションモデルの作成とそれを用いた動力学シミュレーションを行った.具体的な内容は下記の2点でまとめられる. 1.義足ソケット内の皮膚接触圧力を計測する実験を行う準備として,空気圧計測用の薄型ひずみゲージ式センサを用いることで,接触する物体である断端を模擬した弾性体の接触によって,出力が得られることを確認した.現在,このセンサを利用して,義足ソケットと断端の間の接触圧力を同時に10点計測することが可能なシステムの構築を進めており,さらに出力値と接触圧力間の校正についてはその方法を含めて検討する予定である. 2.片脚股義足着用者の神経・筋骨格シミュレーションモデルを作成し,神経モデルのパラメータ探索計算を経て複数歩の歩行を生成できることを確認した.また,遊脚期において股関節屈曲補助を行う単純な制御則を導入した動力義足を着用させたモデルによって複数歩の歩行を生成させ,既存の股義足を用いた歩行と比較した.その結果,動力義足を使用した歩行において歩容の改善がみられた.特に,既存の股義足歩行で顕著であった左右非対称な運動が動力義足によって大きく軽減し,動力義足が歩容改善に有効である可能性を示唆する結果が得られた.
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