2011 Fiscal Year Annual Research Report
義足使用者の運動状態・運動意図推定手法の確立とそれを応用した高機能股義足の開発
Project/Area Number |
22680046
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
内藤 尚 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教 (40392203)
|
Keywords | 能動義足 / 動作意図 / 歩行 / 股義足 / 人間機械系設計 |
Research Abstract |
本研究の最終目的は,義足の中でも最も高度な技術が必要となる股義足を主な対象として,駆動要素を組み込んだ実用レベルの高機能股義足を開発することである.具体的には,まず,義足使用者の運動状態と運動意図を推定するアルゴリズムを提案し,研究代表者が構築した順動力学的身体運動シミュレーションモデルに基づく義足開発支援システムを応用することで,義足使用者の運動状態・運動意図を推定するアルゴリズムと股義足の制御システム・機構システムの設計を同時に行い,それを基に能動股義足を製作し評価を行う. 本年度は,義足開発支援システムを用いた股義足機能と運動状態・運動意図推定アルゴリズムの同時設計手法を提案し, 能動脚(義足の一部)の機構製作,機械性能の初期検証および制御系設計を開始した. 義足の設計手法として,歩行シミュレーションを応用した義足開発支援システムを用いて,股義足の制御システム・機構システムおよび義足提案した運動状態推定アルゴリズムのパラメータを同時に設計する方法を提案した.また,義足の一部分となる能動的に駆動させることができる股関節継手の機構の製作を行い,単純な駆動制御システムを組み合わせ初期評価駆動試験を行った.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
義足設計支援ソフトウェアの作成中に、床面と足底面の間の接触現象を再現する精度に課題が見つかり,より高精度の動的接触摩擦モデルの導入が必要であることがわかった.新たに接触摩擦モデル開発を行ったために初期の計画に比べるとやや遅れている.
|
Strategy for Future Research Activity |
前々年度に構築した実験システムによって,歩行開始,歩行停止,速度変更,方向転換に関する動作意図に関する生体ダイナミクスデータの抽出を行う.義足ソケット内の接触圧力,断端部の筋活動データ,身体各部の加速度・速度データなどを対象とする. また,今年度開発した歩行シミュレーションを応用した義足開発支援システムを用いて,股義足の制御システム・機構システムおよび義足提案した運動状態推定アルゴリズムのパラメータを同時に設計する.股継手,膝継手,足部継手をコントロールできる機構を考慮し,受動要素と駆動要素を組み合わせ高いエネルギ効率を実現できるようにする.股義足の目標運動軌道は健常脚の定常的な運動軌道を参照して決定し,左右対称な歩行運動となるよう評価関数を設定する.
|
Research Products
(1 results)