2011 Fiscal Year Annual Research Report
運動制御システムに及ぼす自律神経活動の機能的役割の解明
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22680047
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
神崎 素樹 京都大学, 大学院・人間・環境科学研究科, 准教授 (30313167)
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Keywords | 自律神経活動 / 動作調節能力 / 変動 / ノイズ刺激 |
Research Abstract |
本研究の目的は、運動制御システムを支える自律神経活動の機能的役割を解明することである。本年度の目的は、運動制御システムとして足関節底屈筋群の力調節能力に及ぼす自律神経活動の貢献を抽出した。自律神経活動の賦活としてノイズ刺激を用いた。最大筋力の5%に相当する静的足関節底屈運動時にノイズ刺激を与えた。運動出力の神経活動としてヒラメ筋から運動単位活動をワイヤー電極法により導出した。その結果、ノイズ刺激により発揮張力の変動が小さくなった。この結果より、自律神経活動の賦活は力調節能力を向上させることが明らかになった。その要因として運動単位活動の変動および同期性を定量した。ノイズ刺激により運動単位の発火頻度は変化しなかったものの、変動係数は小さくなった。また、運動単位間の同期性もノイズ刺激により低下した。これら結果より、自律神経活動は運動ニューロンプールに対して投射があり、その投射により適切な運動ニューロンの興奮性が誘発され、その結果として力調節能力が向上したと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
自律神経活動の運動出力への貢献を抽出することができた。そして、その結果を国際誌に投稿し、Neuroscience Letters誌に採択された。
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Strategy for Future Research Activity |
ノイズ刺激が自律神経活動を賦活させる、との前提で実験を行ったが、より自律神経活動の関連を明確するためには、筋交感神経活動を実測する必要がある。今後は、自律神経活動の定量値と運動制御との関連を見る必要がある。また、より日常生活の動作様式に近い運動課題中の自律神経活動の貢献を検討する必要がある。
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Research Products
(1 results)