2012 Fiscal Year Annual Research Report
開発途上国における「スポーツを通じた開発と平和」に関する研究
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22680048
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岡田 千あき 大阪大学, 人間科学研究科, 准教授 (40335401)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | スポーツを通じた開発 / 開発途上国 / 社会開発 / HIV/AIDS / 青少年教育 / 民族融和 / SDP |
Research Abstract |
1平成22年度から継続して調査を行っている日本の事例(ホームレスワールドカップ日本代表の活動【テーマ:貧困】)、カナダの事例(障害者スポーツ活動【テーマ:民族融和】)、カンボジアの事例(観光業サッカーリーグ【テーマ:社会開発】】、マレーシアの事例(マレーシア国際駅伝【テーマ:青少年教育】)、ジンバブエの事例(ジンバブエ野球連盟による野球普及活動【テーマ:HIV/AIDS啓発】)について、補足調査を行いながら成果をまとめた。 本研究で扱った開発途上国の現場における「スポーツを通じた開発」は、分野としての歴史が浅く、国際的にも研究の蓄積が十分でないことが課題となっている。そのため、研究の開始当初に、日本語、英語による研究成果の発表を最終目標に定めていた。昨年度は国内外での学会発表を行い、異なる分野の研究者から示唆を得、また、共同研究者との議論から調査結果を吟味していった。今年度は、ここから得た知見を基に補足調査を行い、結果をまとめる作業に入っており、具体的には、英語書籍2件(うち1件は編者)、日本語書籍1件(編者)の執筆を行った。 5事例(うち、カナダの1事例は共同研究者によるもの)のフィールドワークを基にした調査結果の精査から、開発分野におけるスポーツの異なる役割や機能が明らかになっており、書籍としてまとめることにより、これらを分かり易い形で発信できると考えている。書籍には、他の事例について複数の研究者の原稿も掲載予定であり、校正の過程において研究会を実施するなど新たな研究者間のネットワークの構築も可能である。最終年度である本年は、研究成果のまとめと発信、研究者間の連携の強化に力を入れている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
・平成22、23年度に行った現地調査の結果をまとめる段階に入っている。 ・現地調査の結果について、学会発表、書籍原稿の執筆を行ったが、学術論文としてまとめるためには、複数のフィールドについて追調査が必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
・平成22、23年度の調査結果をまとめる作業を継続し、成果の積極的な発信を試みる。 ・研究の最終目標の一つとしていた成果の発表について、予想以上の速度で進展した。現在は、一般向けの書籍の原稿執筆が中心であるが、今後は、学会大会での口頭発表や学会誌への投稿など、より学術的な成果を挙げることにも力を注ぎたい。 ・研究の成果をまとめる過程において、異なる分野の研究者との連携を強化し、次の共同研究の展望や方向性を探りたい。
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Research Products
(6 results)