2010 Fiscal Year Annual Research Report
サルコペニアの分子メカニズム解明と栄養・運動介入による予防法
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22680050
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
藤田 聡 立命館大学, スポーツ健康科学部, 准教授 (80451863)
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Keywords | 栄養学 / 老化 / シグナル伝達 / 生理学 / タンパク質 |
Research Abstract |
1.研究目的 本研究では筋タンパク質の合成を刺激する栄養摂取と運動刺激の生化学的な働きを明らかしに、その結果に基づいた運動とサプリメントによる介入試験を高齢被験者を対象として縦断的に実施することで、サルコペニアのメカニズムの解明とその予防策の探索を目的としている。 2.研究成果 (1)一過性レジスタンス運動に対する骨格筋タンパク質の代謝応答 健常な若年者と高齢者を対象に、一過性のレジスタンス運動を高強度(70%1-RM)で行い、骨格筋のタンパク質代謝応答と筋肥大に関与するシグナル因子を調査することで、「運動強度」と「加齢」という要因がタンパク質代謝に及ぼす影響を横断的に検証した。その結果、高齢者は若年者と比較すると筋量と筋力は共に有意に低く、一過性のレジスタンス運動に対する同化ホルモンの応答も顕著に低下していたが、タンパク質合成に関与する骨格筋のシグナル因子活性に関しては有意差が認められなかった。よって加齢によって筋量は低下するが、高齢者であっても適切な運動強度でレジスタンス運動を行うことによって筋量を増加することが可能であると示唆された。 (2)長期的なレジスタンス運動による筋肥大への効果 一過性のレジスタンス運動による検証を行った高齢被験者(67±1.8歳)を対象として、下肢筋群に焦点を当てた高強度のレジスタンス運動を12週間(週3回)継続し、筋量と筋機能に与える影響を検証した。その結果、トレーニング前と比較して有意な筋量と筋力の改善が高齢者で確認された。この骨格筋の肥大率は一過性のレジスタンス運動に伴うタンパク同化ホルモンの分泌量とは有意な相関が認められなかった。
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Research Products
(5 results)