2011 Fiscal Year Annual Research Report
サルコペニアの分子メカニズム解明と栄養・運動介入による予防法
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22680050
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
藤田 聡 立命館大学, スポーツ健康科学部, 教授 (80451863)
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Keywords | サルコペニア / 骨格筋 / アミノ酸 / レジスタンス運動 |
Research Abstract |
1、高齢者を対象としたレジスタンス・トレーニングの検証 健常な高齢男性を対象に週3回、12週間の筋力トレーニングを実施した。膝進展および屈曲運動をウエイトマシンを用いて最大挙上重量の70%を運動強度として実施した。また4週ごとに最大挙上重量(1-RM)を再評価し、運動強度を調整した。トレーニング前後において、筋横断面積、骨密度、最大筋力、血中ホルモン濃度を評価した。トレーニング群において、トレーニング期間前と比較して最大筋力が15-20%上昇し、骨格筋量が約7%増加した。また、安静時におけるタンパク同化ホルモンの濃度がトレーニング後において有意に増加していた。 2、高齢者を対象としたレジスタンス運動とアミノ酸サプリメントの併用が筋力および筋機能に及ぼす影響の検証 (1)健常な高齢男性を対象として、一過性のレジスタンス運動実施後にアミノ酸サプリメントを摂取し、その後のタンパク質代謝に関連した筋内シグナル因子の活性を検討した。レジスタンス運動のみと比較して、アミノ酸サプリメントはmT0Rシグナル経路のタンパク質活性を有意に増加し、レジスタンス運動のみの実施と比較して、アミノ酸摂取が相乗効果的に骨格筋のタンパク質合成に寄与する可能性が示唆された (2)健常な高齢男性を対象として、12週間、週3回のレジスタンス運動(最大挙上重量の70%)と毎日の必須アミノ酸摂取の併用が骨格筋量と筋機能に及ぼす影響を調査した。現在、介入研究が終了しその結果を解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していたH23年度の研究計画である高齢者と若年者を対象としたレジスタンス運動と、アミノ酸摂取と運動の併用による骨格筋タンパク質の代謝への効果比較に関しては既に実験が終了しており、またH24年度に行う予定であるレジスタンス運動とアミノ酸摂取による介入研究も第1期が終了し、現在データ解析を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は当初の計画どおり、H23年度の一過性の運動実験によるデータを基に、具体的なレジスタンス運動と有酸素運動のプログラムを作成し、長期的な介入研究によってその運動プログラムは高齢者の筋量および筋機能に及ぼす効果を検討する。長期的な運動介入においては、最終的に何らかの理由で研究を辞退する被験者が若干する出ることを予想して被験者を公募する。
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Research Products
(5 results)