2012 Fiscal Year Annual Research Report
健康長寿の基盤となる新たな栄養センシング機構の解明と疾患予防法の開発
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22680053
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
山本 浩範 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (60314861)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 栄養センサー / 生活習慣病 / 臓器特異的 / リン感受性遺伝子 |
Research Abstract |
本研究では、新たな栄養センサーの発見と生活習慣病予防・治療法の開発を目的とし、臓器特異的なリン感受性遺伝子群および代謝産物の同定を試みている。本年度、リン摂取バランスは、炎症性腸疾患や敗血症の病態重症度に影響を与えることを見出しただけでなく、サーカディアンリズムを制御する時計遺伝子群の発現パターンに影響することを明らかにした。興味深いことに、リン摂取不足は、時計遺伝子(Clock, BMAL1, Per2)の肝臓および腸管での発現を変化させることから、時計遺伝子がリンセンサーとして機能している可能性が考えられた。また、甲状腺ホルモンによるビタミンD代謝調節の分子機構には、CYP27B1遺伝子の転写調節に対し、核内受容体およびステロール調節性結合タンパク質SREBPが重要な鍵を握っていることを報告した(Endocrinology 2013)。リン、カルシウム、ビタミンD代謝異常を有する早期老化モデルマウス(klotho変異マウス)を用いて、腎、心筋および大動脈での異所性石灰化発症に、カルシウム・リン調節ホルモンのスタニオカルシン2が防御的因子として寄与する可能性を明らかにした(BONE 2012)。さらに、リン摂取過剰は、異所石灰化抑制因子であるフェチュインAの発現にも影響を与えることを見出した。以上のことから、リン摂取バランスを考慮した生活習慣病予防・治療法を確立する上で、リンやビタミンD代謝の日内リズムを考慮することが重要であると考えられた。本研究成果は、時間栄養学を考慮した新たな疾患予防法の開発の基盤研究として意義があり、リン摂取バランスと疾患発症、体内時計との関係を明らかにすることで、詳細な栄養素シグナル経路および生体リン臓器間ネットワークが明らかになると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(19 results)