2010 Fiscal Year Annual Research Report
食後高血糖によるエピジェネティック制御機構と代謝性疾患発症との関連
Project/Area Number |
22680054
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
望月 和樹 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 助教 (80423838)
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Keywords | 食後高血糖 / 代謝性疾患 / エピジェネティックメモリー / Brd4-P-TEFb / p32 |
Research Abstract |
小腸および脂肪組織における糖消化吸収・代謝関連遺伝子の発現は、ヒストンのアセチル化ならびにヒストンH3リジン(K)4番目のメチル化によって調節されることが明らかにした。これら遺伝子のアセチル化ヒストン上には、転写伸長因子であるBrd4-P-TEFbが結合することを明らかにした。さらに、小腸様細胞Caco-2、脂肪培養細胞3T3-L1において、糖消化吸収・代謝関連遺伝子の発現を Brd4-P-TEFbが調節することを、siRNAを用いたBrd4タンパク質を減少させた細胞を用いて明らかにした。また、糖尿病モデルマウスおよび食事によって軽度耐糖能異常を誘発したラットの脂肪組織では、炎症関連および脂肪合成関連遺伝子の発現が増大するとともに、ヒストンH3 K4のメチル化が増大することを明らかにした。さらに、軽度耐糖能異常ラットに食後高血糖を抑制する薬剤ミグリトールを投与すると、耐糖能異常が改善するとともに、脂肪組織における脂肪酸合成酵素の遺伝子発現および同遺伝子上流域のヒストンメチル化が低下することを明らかにした。さらに、小腸において、メチル化ヒストンH3K4に結合するタンパク質として、p32タンパク質を同定したほか、小腸におけるヒストンのアセチル化にはGCN5タンパク質が重要であることを明らかにした。これらの結果は、小腸および脂肪組織における糖消化吸収・代謝関連遺伝子の発現は、ヒストン修飾および修飾ヒストン結合タンパク質によって調節されることを示唆したものである。
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[Journal Article] Histone H3 methylation at lysine 4 on the SLC2A5 gene in intestinal Caco-2 cells is involved in SLC2A5 expression.2010
Author(s)
Inamochi, Y., Mochizuki, K., Osaki, A., Ishii, T., Nakayama, T., Goda, T.
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Journal Title
Biochem.Biophys.Res.Commun.
Volume: 392(1)
Pages: 16-21
Peer Reviewed
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