2011 Fiscal Year Annual Research Report
黒板の利点・成功事例・阻害要因に基づく電子化黒板の普及モデルと支援システムの開発
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22680055
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
佐藤 弘毅 名古屋大学, 留学生センター, 講師 (60402377)
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Keywords | 教育工学 / 教育メディア / 電子黒板 / 普及モデル / 支援システム / 黒板の利点 / 成功事例 / 阻害要因 |
Research Abstract |
電子黒板の普及モデルを構築するため、(1)従来の黒板の特徴分析、(2)普及の成功事例の分析、(3)普及の阻害要因の分析の3つの課題に取り組んだ。本年度は、(1)について、(a)速記性・柔軟性、(b)ノートテイキングによる学習効果、(c)視線集中の効果に着目した分析を行った。前年度に行った先行研究調査および検証実験の結果をふまえて新たな仮説を導き出し、実践的・実験的にその検証を行った。具体的には、(a)については前年度に引き続き、(1)プラズマ式ディスプレイとの一体型電子黒板、(2)プロジェクタによる投影とペン入力装置による電子黒板、(2)プロジェクタによる投影のみ、(4)従来の黒板の4種類のハードウェアの違いによる有効性の比較検証を行うため、実験を行った。(b)については、受講者の紙へのノートテイキングを取り込み、電子黒板で共有するソフトウェアを開発し、その評価のための実践を行った。(c)については、意識の集中やジョイントアテンション等の効果を実験的・実践的に検証した。(2)について、先進的な取り組みを行っている中学校・高等学校・大学および企業での実践を見学し、併せて関連団体の事例を収集した。(3)について、(2)と同様に、中学校・高等学校・大学および企業の実践事例、申請者・研究協力者の実践事例を収集し、聞き取り調査を行った。結果、設置の手間、機器操作の煩わしさ、機器のトラブル、ICTへの抵抗感等の阻害要因が上げられた。以上の分析結果に基づき、電子黒板による授業支援システム(教室OS)のプロトタイプシステムの設計を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1)従来の黒板の特徴分析については、若干計画とは異なるものの国内外の活用の現状をふまえて検証実験の計画を変更し、順調に進めている。(2)普及の成功事例の分析および(3)普及の阻害要因の分析についても、順調に実践事例を蓄積し、分析を進めている。支援システムについても、これら(1)~(3)の分析結果をふまえて機能を修正しながら順調に開発を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)従来の黒板の特徴分析については、国内外の活用の現状をふまえ、当初の計画と異なる順序で検証実験を進めている。(2)普及の成功事例の分析および(3)普及の阻害要因の分析については、実践事例の収集を優先し、検証のための分析については今後取り組んでいく予定である。支援システムについては、これら(1)~(3)の分析結果をふまえて機能を修正しながら開発を進めており、今後活用実践を行いながら効果検証し、その結果をふまえた機能の修正というサイクルで進めていく予定である。
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