2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22680059
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
堀 和明 名城大学, 理工学部, 准教授 (70373074)
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Keywords | 河跡湖 / 氾濫原 / 沖積層 / 石狩川 / 完新世 / 泥炭 |
Research Abstract |
本研究では,河跡湖の堆積物および地形の解析にもとづき,10~1000年スケールでの河川中・下流域の環境変化を明らかにする.研究対象地域は,蛇行流路が日本でもっともよく発達し,多くの河跡湖がみられる石狩平野とした. 今年度はまず河跡湖の分布する氾濫原の層序の特徴などを明らかにするため,既存ポーリング柱状図や旧版地図を参考にして,コアの掘削位置を選定し,オールコアポーリングにより沖積層基底に達するコア堆積物を採取した.採取した堆積物について,記載,軟X線写真撮影,放射性炭素年代測定をおこなった.堆積物は,下位から大きく砂礫層,砂層,泥層,砂泥互層,泥炭層,砂層に区分された。また,年代測定の結果,コア堆積物の大部分は完新世に堆積したことがわかった. 明治・大正期以前から河跡湖になっていた湖沼を選び,夏期に現地調査を実施した.具体的には,エレキモータを搭載したゴムボートとGPS付魚群探知機による河跡湖の水深測定,採泥器を用いた底質堆積物採,佐竹式コアサンプラーによる柱状試料採取をおこなった.調査をおこなった湖沼のほとんどは水深5m未満で,底質も微粒シルトー粘土からなっていた.また,最長40cmの柱状堆積物においても,深度方向への粒度変化はあまりみられなかった.一部の湖沼の柱状試料については,Cs137およびPb210の測定をおこなった.これらの結果をもとに来年度はいくつかの河跡湖において,より長い柱状試料の採取・解析をおこなっていく.
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