2011 Fiscal Year Annual Research Report
新規表面制御手法による電子実装分野の環境対策技術開発
Project/Area Number |
22681009
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高橋 英志 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 准教授 (90312652)
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Keywords | 環境技術 / 環境材料 / 環境負荷低減 / ハロゲン / はんだ |
Research Abstract |
はんだ粒子の表面酸化皮膜の低減と表面ハロゲン化を同時に達成するこれまでに無い新しい表面制御手法を確立することにより次世代基準値(900ppm以下)の1/5以下のハロゲンで作動するハロゲンフリーはんだ調整法を世界に先駆けて確立すること、反応機構解明を行い本表面処理技術を省資源型金属ナノ粒子ペースト調整法に応用すること、を目的としている。 平成22年度の知見を踏まえ、金属材料表面における「反応機構解析」と「金属ナノ粒子ペースト調整法への展開」を試みた。 (1)新規表面制御手法の反応機構解析 ペースト中の数十種類の有機物が、酸化皮膜溶解過程、ハロゲン種添加過程、及び再酸化過程に対して与える影響を、溶液反応と状態分析やサイクリックボルタンメトリーを用いた電気化学的検討により検討した結果、臭素を構成要素とするハロゲン化合物が、金属表面の酸化物と反応し、離脱することにより酸化物が除去されること、臭素化合物と酸化物との安定性の差異により再酸化過程が緩慢となること、等の基礎的な反応機構を明らかとした。 (2)金属ナノ粒子ペースト調整法への展開 前述の成果は「金属材料表面における金属酸化物のみを好きな時に好きな場所で除去する技術」の開発に発展可能である。そのためには、はんだ合金のみではなく、他の金属に対する反応性を担保する必要がある。そこで、上記過程を銅に対して適用し、他の金属材料に応用する為の知見について検討した。 [金属銅ナノ粒子合成]ペースト材料を合成する為には、粒子間接合を行うために融点降下が必要となる。そこで、反応基材として用いる事を考慮し、50nm以下の金属銅ナノ粒子合成を試み、独立性を達成する為の条件について明らかとした。[金属銅との反応性検討]金属銅を用いた場合の、銅酸化物-ハロゲン化合物間の反応の機構について明らかとした。 以上の様に、基礎的な反応機構解析を踏まえ、発展的な技術の基礎を構築するにいたった。
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Research Products
(6 results)