2010 Fiscal Year Annual Research Report
単一ナノサイズ発光体-金属ナノ構造系の光子アンチバンチング挙動評価
Project/Area Number |
22681013
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
増尾 貞弘 関西学院大学, 理工学部, 准教授 (80379073)
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Keywords | 1分子計測(SMD / ナノ材料 / 量子ドット / アンチバンチング / 単一光子 / ナノ粒子 |
Research Abstract |
本研究の目的は、「単一ナノサイズ発光体が金属ナノ構造のプラズモンと相互作用した系」の光子アンチバンチング挙動を詳細に解明することである。アンチバンチング挙動が観測されれば、プラズモンにより発光体から単一光子を効率よく取り出せることを意味し、高輝度な単一光子発生源の創製につながる。逆にアンチバンチング挙動が観測されなければ、プラズモンにより「励起子消滅過程」を抑制可能であることを意味する。励起子消滅過程は、生成した励起子が消えてしまう過程であるため、有機ELなどの発光デバイスや太陽電池などにおいては、好まれざる過程である。プラズモンにより、この励起子消滅過程を抑制できれば、これらデバイスの飛躍的な効率向上につながると考えられる。本研究では、アンチバンチング挙動をモニターすることにより、励起子ダイナミクスを詳細に解明し、上記について指針を得ることがねらいである。本年度は、以下の2項目に重点をおき、研究を遂行した。1.原子間力顕微鏡(AFM)を組み合わせた顕微分光システムの構築。2.単一量子ドット-銀ナノ構造系のアンチバンチング挙動評価。本研究を効率よく遂行するためには、単一ナノサイズ発光体-金属ナノ構造間の距離を正確に制御し、その距離に依存した特性を詳細に解明することが必要である。その距離制御を行うため、1によりAFMの探針による金属ナノ構造のマニピュレーションおよび距離の計測を導入する。市販のAFMを倒立型顕微鏡上に乗せ、徹底的なノイズ除去、新規光検出系の構築を行うことで、ナノメートルの空間分解能で試料形状を評価でき、同時に単一ナノサイズ発光体からの微弱光も検出可能なシステムの構築に成功した。2は、単一量子ドット-銀ナノ粒子系について、その距離に依存し、アンチバンチング挙動が異なることを見出した。発光スペクトル、発光寿命、アンチバンチング挙動の相関を測定することで、そのメカニズムについて詳細な解明を行った。
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Research Products
(14 results)