2010 Fiscal Year Annual Research Report
細胞挙動コントロールを可能にする導電性ソフトインターフェイスの構築
Project/Area Number |
22681016
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
尤 嘯華 独立行政法人理化学研究所, Yu独立主幹研究ユニット, ユニットリーダー(独立主幹研究員) (70529908)
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Keywords | 有機化学 / 導電性高分子 / 有機導体 / バイオテクノロジー / バイオインターフェイス / ナノバイオ / ナノ材料 |
Research Abstract |
当初の目標としていた20種以上のチオフェンベースの新規モノマーを合成した。それぞれのモノマーを評価し、分子構造と物理特性を同定した。その結果より、以下の2種に大別した。 1.マテリアルモジュレーション・モノマー 親水性側鎖を有するチオフェンモノマーを複数合成した。これらはオリゴエチレングリコール、ホスフォリルコリンを模倣した両親媒性側鎖、ベタイン等を側鎖に有する。これら親水性側鎖を有すモノマーからなるポリマーは、疎水性相互作用によりタンパク質の非特異吸着を抑制した。 2.バイオコンジュゲーション・モノマー バイオコンジュゲーションに適する異なる官能基(-NH_2,-COOH,-N_3)を有する複数のモノマーを合成した。これらのモノマーをポリチオフェンによるバイオインタフェースの創製に供した。 リガンドコンジュゲーション 上記のモノマーから調製したポリマーに、複数種のリガンドをコンジュゲーションした。RGDペプチド、IKVAVペプチドを用い、導電性高分子薄膜上での、細胞の増殖、分化に成功した。分子設計に基づき、導電性高分子を作製し、その薄膜上でリガンドのターゲットとした特異的結合による細胞の接着コントロールを可能にした。 細胞エンジニアリングに向けた導電性高分子ナノネットワーク 化学重合による導電性高分子ナノネットワークの簡便な調製方法を開発した。種々の官能基(-OH,-COOH,-N_3,-SO_3^-)を持つチオフェンモノマーからなる20~40nmのナノファイバーで構成されたネットワークを調製した。このナノネットワーク上で培養した神経細胞(PC12)は、平滑な薄膜と比較し高い細胞生存率及び早い細胞増殖速度を示した。 "トップダウン""ボトムアップ"双方のアプローチを利用することで、当初の目標及び導電性高分子薄膜上での細胞の空間的なアレンジメント・コントロールを達成した。
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Research Products
(17 results)