2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22681020
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
品田 賢宏 早稲田大学, 高等研究所, 准教授 (30329099)
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Keywords | 単一原子デバイス / 単一ドーパントデバイス / 単一原子ドーピング法 / ドーピング / イオン注入 / 集束イオンビーム / シリコンデバイス / 量子デバイス |
Research Abstract |
半導体デバイスの電気的特性を制御するために均一に導入されてきたドーパント原子は、微細化によって10年以内に数個程度になる。ランダムな分布故、今日、トランジスタの高性能化を妨げるドーパントゆらぎとして問題視されているものの、決定的な解決策は見出されていない。本研究では、チャネル領域に(たまたま存在する1個ではなく)真に1個のドーパント原子が制御され、動作の基本となる単一ドーパント原子デバイスを創製することを目的とている。ドーパントゆらぎに解決の道筋を与え、次世代デバイス設計指針を与える他、量子コンピューター、単電子トランジスタをはじめ既存のCMOSテクノロジーの先に位置付けられる革新的デバイスの基盤となる基幹技術を確立する。平成22年度は次の研究項目に取り組んだ。 (1)基板バイアス制御による単一イオン入射検出率の改善 単一原子ドーピング法において、単一イオンの入射は試料から放出される2次電子の検出によって確認している。従来、2次電子放出率が十分でない結果、検出率は90%に止まっていた。単一イオン注入中、デバイスに基板バイアス印加機構を開発し、基板バイアス制御によって2次電子放出率を増加させ、入射検出率を100%に改善した (2)非対称ドーパント規則配列 ドーパントをチャネルのドレイン側に配置することによって駆動電流が増加する現象を見出したことを受け、今回、規則的な非対称ドーパントを有するトランジスタを試作し、特性への影響を調査した。ランダムにドレイン側に配置したトランジスタと比較し、約23%増加することを確認した。電子の入射速度低下の抑制効果と均一なポテンシャル形成よると結論づけた。 (3)位置のみ制御されたドーパント規則配列 ドーパント個数を意図的に制御せず、位置のみ制御されたドーパント規則配列を有するトランジスタを試作し、ランダム分布のものと比較した。約23%ばらつきが抑制されることを実証した。これは個数はばらついても位置のみ制御でもばらつき抑制効果があることを示す初めての結果である。
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Research Products
(10 results)