2012 Fiscal Year Annual Research Report
次世代シークエンサーを用いた癌細胞低酸素応答の多角的トランスクリプトーム解析
Project/Area Number |
22681027
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鈴木 穣 東京大学, 新領域創成科学研究科, 准教授 (40323646)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 次世代シークエンサー / 低酸素応答 / トランスクリプトーム / 転写開始点転 / クロマチン / Chip Seq解析 |
Research Abstract |
大腸がん細胞における低酸素刺激時の転写応答に着目して収集された1億の転写開始点タグデータに対し、次世代シークエンサーを共通の検出器として用いた様々な角度からのChIP Seqデータ、RNA Seqデータを収集、解析した。1%あるいは21%の酸素濃度下で培養したDLD1細胞を用いて 1) 低酸素応答のマスター転写因子の一つである転写因子HIF-1結合領域の同定(ChIP Seq法);2) RNA polymerase II結合部位および計8種類の代表的活性性、抑制性のヒストン修飾部位の同定(ChIP Seq法);3)total RNA(核、細胞質、ポリソーム画分)およびmiRNAのショットガン解析(RNA Seq法);4)RNA半減期の網羅的同定(BRIC Seq); 5)Ago1およびAgo2に結合するmiRNA、mRNAの同定(RIP Seq法)について、データ収集と解析を行い、低酸素刺激におけるトランスクリプトーム像の変化を網羅的、定量的に記述、解明した。各試料について、次世代シークエンサー・イルミナHiSeqを用いて、各試料につき1000万ずつ、合計10億程度の36bpのタグ配列を収集した。その結果、低酸素刺激により実際のHIF-1の結合が誘導される以前から、多くの場合、クロマチンがオープン構造を示していることを見出し、細胞の系譜あるいは変遷を反映する形で、速やかな転写応答に必要な環境は、クロマチン構造として整備されている可能性を示唆することができた。また、クロマチン状態とRNAの局在状態の推移医またRNAの分解効率を比較することにより低酸素刺激における遺伝子の発現制御が転写後制御により行われている例を見出した。本研究が遺伝子発現制御を汎トランスクリプトームレベルで解析した初めての研究成果であると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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