2012 Fiscal Year Annual Research Report
エンドサイトーシスを標的とした癌分子標的治療薬の開発
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22681034
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
川谷 誠 独立行政法人理化学研究所, 化合物ライブラリー評価研究チーム, 専任研究員 (50391925)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 癌 / 小分子化合物 |
Research Abstract |
本研究の目的は、エンドサイトーシスを標的とした新たな癌分子標的治療薬を開発することである。本年度は主に、構築したシステムを用いて抗癌活性化合物の作用機構解析を行った。 昨年度までに構築した細胞形態変化を指標にしたハイコンテンツスクリーニングシステムを用いて、既存の抗癌剤やシグナル伝達阻害剤などおよそ200化合物を評価した。その結果、本システムは薬剤の「作用」と「細胞形態変化」を定量的に関係付けられることがわかり、作用既知薬剤の細胞形態変化情報をデータベース化することで、作用未知化合物の作用メカニズムを予測することが可能となった。 NPD6689、NPD8617およびNPD8969は、1次スクリーニングで見出した癌細胞増殖阻害活性化合物である。本システムで解析した結果、これらの化合物はいずれもチューブリン阻害剤と推定された。3化合物はin vitroでチューブリン重合を阻害し、また化合物処理したHeLa細胞では、間期微小管の崩壊やM期紡錘体の形成異常、G2/M期停止を引き起こした。これらのことから、3化合物はいずれもチューブリン重合阻害剤として作用することが明らかとなった。 ピロリジラクトンはNPD6689と同様に1次スクリーニングで見出した癌細胞増殖阻害活性化合物である。本システムで解析したところ、ピロリジラクトンはプロテアソーム阻害剤と推定された。In vitroプロテアソームアッセイを行った結果、ピロリジラクトンは20Sプロテアソームのトリプシン様活性、キモトリプシン様活性およびカスパーゼ様活性を阻害し、特にトリプシン様活性を強く阻害した。またHeLa細胞において、ピロリジラクトンはユビキチン化タンパク質の蓄積を誘導し、細胞周期をG1期およびG2/M期で停止させた。これらのことから、ピロリジラクトンはプロテアソームを標的にしていることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(11 results)