2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22682008
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
高瀬 克範 北海道大学, 文学研究科, 准教授 (00347254)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | カムチャツカ半島 / オホーツク海北岸 / 土器 / 編年 / 放射性炭素年代測定 / 内耳土器 / 古コリャーク文化 |
Research Abstract |
カムチャツカ半島東北部から出土する土器の出現時期と変遷過程を解明した。この地域で多様な土器が出土することが知られているカラガ湾周辺に焦点をしぼり,現地調査によって得られた知見と試料にもとづいて研究を遂行した。土器は型式論的な観点から,1)カヴラン・タイプ(縄の圧痕をもつ一群),2)イヴァシュカ・タイプ(縄の圧痕に加えて爪形・刺突・貝殻文をもつ一群),3)粘土紐をもつ一群,4)方形圧痕をもつ一群,の4タイプに分類した。カラガ湾周辺における3遺跡(カラガ6・10・13遺跡)の発掘調査の結果,この地域ではカヴラン・タイプのみによって構成される土器群(「組成I」)(カラガ6遺跡)と,それに加えて他のタイプが加わる土器群(「組成II」)(カラガ10・13遺跡)の2種の土器組成が見いだされた。 それぞれの土器組成が出土する遺構から採取した木炭を試料とした放射性炭素年代測定結果から,「組成I」は後11~13世紀,「組成II」は後15~17世紀に位置づけられる。カヴラン・タイプはカムチャツカ半島西海岸では後8世紀から出現するため,この種の土器は西海岸で発生したのち11世紀に東海岸へ分布域を拡げた可能性が考えられる。また,イヴァシュカ・タイプはカラガ湾よりも南のイヴァシュカ川流域で13世紀には出現しているため,その後15世紀になって北部のカラガ湾沿岸にまで分布域を拡げたと推定された。ごく少量存在する上記3)・4)のタイプは他地域(より北方)からの搬入品と考えられる。 カムチャツカ半島南部の土器(内耳土器),オホーツク海北岸~カムチャツカ半島西海岸の土器(古コリヤーク文化の土器)についてはすでに段階設定と地域間の対比は終えているので,今年度の研究によってオホーツク海北岸からカムチャツカ半島全体にかけての土器編年の高精度化という当初の研究目的が十分に達せられたこととなる。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)