2011 Fiscal Year Annual Research Report
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22683003
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Research Institution | The University of Shimane |
Principal Investigator |
福原 裕二 島根県立大学, 総合政策学部, 准教授 (30382360)
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Keywords | 国際関係史 / 竹島/独島 / 日本海/東海 / 日韓関係 / 地域研究 / 地域学 / 政治学 / 第三の視角 |
Research Abstract |
本研究課題は、(1)従来研究成果に対する新資料による再検証と空白の穴埋めによる日韓両国政府及び関係自治体の竹島/独島に対する取り組みの史的解明と、(2)地域・人びとと竹島/独島との関係性、認識に深く密接する李承晩ライン宣布による拿捕、近現代欝陵島漁業の実態解明という新研究の展開の大きく二つの実証研究、さらにこれらの研究蓄積に日ソ(ロ)、韓ソ(ロ)間の漁業秩序形成史とその過程における緊張・協力関係の分析を加味して、日本海/東海の共同利用の可能性を展望するという目的を有す。 その第二年度目にあたる平成23年度は、第一に、国内及び韓国数か所の本格的な現地調査と資料実見調査を敢行した。そこでは、十数名に及ぶ漁業者・漁業関係者、欝陵島友会メンバー、行政官吏らに対する比較的長時間のヒアリング、『昭和八年島行政一班欝陵島』などの新資料の発掘に成功した。第二に、既収集資料の分析に立脚し、日韓両国政府及び関係自治体の戦後における竹島/独島に対する取り組みの史的考察をさらに進め、研究代表者が組織する日韓若手研究者らによる研究会でその研究報告を行うとともに、論考にまとめ公表した。また、この成果は、韓国で開催された国際学術大会においても研究報告の形で公表した。第三に、植民地朝鮮期の欝陵島における日本人社会の一端を明らかにする論考をまとめ、自治体(島根県)が組織する研究会の最終報告書の一部として公表した。第四に、200カイリ漁業水域設定前後の日韓ソによる日本海/東海の漁業秩序形成過程とその後の漁業実態を論考にまとめ公表した。概ね以上のような研究の成果が挙がった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画の妥当性、研究協力者との良好な意思疎通と情報交換、ヒアリング対象者に対する事前の連絡体制の整備、十分な実見資料調査の下準備などにより、当初の研究計画はほぼ完璧に遂行することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の最終年度である平成24年度は、国内外における追加・補足的な現地調査と最終的な研究の取りまとめが課題となる。現地調査については、その目的と内容、実施の準備が既に整っており、計画の変更・問題点は今のところ皆無である。最終的な研究成果の取りまとめも、既に研究材料が整い、その精読も順調で、さらにヒアリング・実見資料調査を通じて得た録取記録、各種統計資料も順調に整理が進んでおり、所期の目標は達成する見込みである。
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Research Products
(5 results)