2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22683005
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
眞鍋 雅史 大阪大学, 医学系研究科, 特任研究員 (20537071)
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Keywords | 資金循環 / 政策シミュレーション / 国民経済計算 / 経済統計学 |
Research Abstract |
平成22年度は日米両国、特に米国の資金循環統計の整備・加工を中心に研究を進めた。米国における資金循環統計については、我が国の資金循環統計と同様、制度部門×金融商品の形式で公表されているが、我が国の統計と異なり、制度部門ごとの金融商品の定義が統一されていないことが知られている。そこで、まず定義を整理し、統一的な枠組みでの資金循環統計のデータベースを再構築する必要がある。平成22年度はまず、この点について取り組んだ。特に、定義の整理においては、必ずしも十分な情報が公開されていないこともあり、専門家等へのヒアリングに加えて、研究補助も得ながら慎重に作業を行った。さらに、米国の資金循環統計における定義の整理に加えて、我が国資金循環統計との比較を容易にするため、極力我が国資金循環統計における制度部門分類、金融商品分類に近づけることを試みた。以上の作業の結果、我が国資金循環統計と同様の形式で米国資金循環統計を再構築することに成功している。 平成22年度の研究成果の意義としては、まず日米資金循環分析モデル構築にあたって必要不可欠なデータベースが構築できたということが挙げられる。これは平成23年度以降の研究につながる大きな成果と言える。つぎに、再構築された米国資金循環統計は、それ自身が米国の資金循環の現状を解明する情報を提供してくれるものになっている。さらに我が国資金循環統計との定義の共通化により、日米資金循環の現状を比較によって明らかにすることも可能になっている。これらは、特に近年の金融市場の変化を分析するために役立つ成果と言える。
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