2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22683005
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
眞鍋 雅史 兵庫県立大学, シミュレーション学研究科, 准教授 (20537071)
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Keywords | 資金循環 / 国民経済計算 / 政策シミュレーション / 経済統計学 |
Research Abstract |
平成23年度の研究の内容は、まず昨年度の研究において、我が国資金循環統計と整合性をもって分析できるよう整備した米国の資金循環統計について、その吟味を行った。具体的には、いくつかの他のデータとの整合性を確認するなどの作業を行った。また、欧州における財政危機リスクが世界的に伝播していることを踏まえ、資金循環にその影響がどのように反映されるかについての検討を、専門家へのヒアリングを行うなどをして進めてきた。さらに、日米間の資金循環モデルを接続するにあたっては、それぞれの資金循環統計の海外部門は、各国別になっていないので、この点を克服する必要がある。平成22年度はこの点について検討を行った。国際収支統計の活用が基本となるが、国際収支統計には統計としての連続性や、入りと出が整合的でないなど、いくつかの問題を抱えている。また、上述の通り、各国国債の国家間の循環は、今後の政策分析上きわめて重要となってくることから、対政府向けの国際的な資金循環についても十分に整備される必要がある。これらを踏まえて、どのように国際収支統計を活用するかの検討を行った。 平成23年度の研究の意義は、まず平成22年度に整備された米国資金循環統計が、その吟味によって十分活用可能であることが示唆された。次年度以降に行われるモデル構築、政策分析に十分なデータが整備されたといえる。また、欧州の財政危機へのファクトファインディング、ヒアリングを通して、国債に関する国際的な資金循環を捉える重要性が明ちかになった。国際収支統計などで捉えることには困難が伴うものの、次年度以降の研究への大きな示唆が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は研究代表者の所属が新設の機関に変更になり、研究環境の整備などに相当の時間を要したため、研究がやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度は、所属機関の変更などの影響もあり、具体的な分析、成果報告には至らなかった。平成24年度は整備されつつあるデータを用いて、分析モデルを構築し、平成24年度中に第一段階の具体的な成果を出すことを目指す。また、目米間の資金循環を捉えるために、国際収支統計を活用することが重要であるが、その取扱いについてはいくつかの困難が伴っている。そこで、国際収支統計の専門家へのヒアリングを行い、この点の克服を試みたい。
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