2012 Fiscal Year Annual Research Report
日本における民族マイノリティビジネス: 国際比較史の視点から
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22683006
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
韓 載香 北海道大学, 経済学研究科(研究院), 准教授 (60396827)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | マイノリティビジネス / 在日韓国朝鮮人 / ネットワーク / パチンコ産業 |
Research Abstract |
日本の代表的エスニックビジネスであるパチンコ産業に注目して分析し、次の国際学会で表題の報告を行った。 EBHA-BHSJ Paris 2012:Business enterprises and the tensions between lacal and global 30 Aug-1 Sep 2012 The Dynamics of Ethnic Minority Business in Japan: The Development of the “Pachinko”Pinball Entertainment Industry(この成果は、The Seventeenth Joint Seminar of Yonsei University and Hokkaido University September 14th, 2012にて、Korean-Japanese Business in Japan、としても報告を行った。) 1980年代のパチンコ産業の構造変化に関する分析を行い、論文作成中である。パチンコ産業は、1980年代に急成長を成し遂げた。その過程でおきた様々な変化は、エスニック集団による成長における転換を意味した。エスニックビジネスの発展に関して、巨大産業に成長したパチンコ産業の歴史を明らかにし、国際比較視点から研究書を執筆中である。 日本におけるエスニックビジネスに関しては、総体的分析が国際的にみて遅れている。このような試みとして様々な民族に内在する資源に注目した比較研究に参加し、在日韓国・朝鮮人の歴史的分析を行い、「在日韓国・朝鮮人―ビジネスのダイナミズムと限界」(樋口直人編『日本のエスニック・ビジネス』世界思想社、2012年)として刊行された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
課題の在日韓国・朝鮮人の代表的産業であるパチンコ産業研究は、分析対象としている正村商会の企業史料が東京大学に所蔵されており、所属している北海道大学からのアクセスが制約されているため、その分析に時間を要した。また重要な分析になっている聞き取り調査が、先方の都合で実現できないままになっている。現在も作業を進めており、聞き取り調査は、今年度に実施予定である。 在日韓国・朝鮮人のもう一つの代表的産業のケミカルシューズ製造業における組合活動ついては、史料整理、データ入力に時間がかかっている。来年度には分析に入る予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
他国の代表的エスニックマイノリティビジネスに対する、日本の歴史的最大在日韓国朝鮮人のそれは、エスニック集団ではなく、マジョリティを対象としているパチンコ産業であることに特徴がある。本研究は、在日韓国朝鮮人の代表的な産業について、国際比較的視点を意識ながら、歴史的解明を目的としているが、研究書としてまとめる作業を残している。
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