2012 Fiscal Year Annual Research Report
大規模イノベーションにおける国際競争力構築メカニズム
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22683007
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
立本 博文 筑波大学, ビジネスサイエンス系, 准教授 (80361674)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 大規模イノベーション / アーキテクチャー / プラットフォーム / ビジネス・エコシステム / 標準化 / 国際競争力 / 車載エレクトロニクス / 移動通信システム |
Research Abstract |
昨年度までの研究によって、大規模イノベーションにおける国際競争力を構築には、「国際標準化」が重要な戦略ツールとなっていることが明らかになった。国際標準形成には、「ISO,IEC,ITUを舞台としたデジュリ標準化」「ドミナント企業によるデファクト標準化」に加えて、1990年代以降、「コンソーシアムを利用したコンセンサス標準化」が重要な方法となっていることが明らかになった。この3つの種類の標準化を戦略的に活用している企業がプラットフォーム企業であり、昨年度は、車載エレクトロニクス産業の事例を用いてプラットフォーム企業の戦略を研究した。本年度は、これと比較するため、移動体通信産業の事例を調査した。研究予定では電力産業の国際展開を調査する予定であったが、3.11の震災後、通信産業へのヒアリング調査が困難になったため、研究対象を移動体通信産業に変更した。具体的にはiモードの国際展開の事例を取りあげた。iモードは世界に先駆けて商業的成功をおさめたモバイルコンテンツのプラットフォームであり、日本企業がグローバルに標準を普及させようとした事例である。研究はヒアリング調査を主体に行った。このヒアリング調査では、国際展開を行ったドコモ以外にも多くの関係者にヒアリングを行った。ヒアリング調査で留意したのは、競争構造上のポジションに由来する情報バイアスの排除である。例えば、通信会社でも、日本の通信会社だけでなく、欧州の通信会社にもヒアリングを行うことによってこのようなバイアスを排除することができる。競合会社の日系通信会社や、iモードライセンス先となった欧州通信事業者、端末メーカーやソフトウェア開発会社などの多様な主体にヒアリングを行った。5カ国に渡って、約40インタビュー対象者へのヒアリングを行った。この結果、iモードの国際展開の戦略的な意図や産業のコンテクストを十分に把握することができた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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