2012 Fiscal Year Annual Research Report
統合失調症の家族心理教育に家族をつなげる効果的な家族アプローチ・システムの構築
Project/Area Number |
22683013
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Research Institution | Japan College of Social Work |
Principal Investigator |
贄川 信幸 日本社会事業大学, 付置研究所, 准教授 (30536181)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 統合失調症 / 家族心理教育 / 関係づくり / ニーズアセスメント / 家族支援 |
Research Abstract |
平成24年度は,これまでの調査結果を踏まえて作成した,家族心理教育に家族をつなげる家族アプローチ・システム案に対して,現場実践家との意見交換,および 学会等での報告に対するフィードバック意見を踏まえて,具体的な取り組み案を検討した。 意見交換および学会でのフィードバック意見のいずれにおいても,a) 家族心理教育プログラム開催になってから家族コンタクトが意識化されることが多いこと,b) 支援ニーズの高い(初回)入院時,初診時などにおいては十分な時間や人的資源が確保されず,家族とのコンタクトが十分に行えない状況にあることが挙げられた。すなわち,家族心理教育プログラム内で行われるような家族との関わりは,家族支援に関心のある者においても日常実践における取り組みが十分に高いとは言えないことが示唆された。それゆえ,日常実践から家族との関係づくりを意図した関わりを行うためには, a) 日常実践における家族との関わりの視点を理解・共有できるような教育研修機会の設定,b)具体的取り組みに着手できるような,機関・部門にローカライズされた方略・仕組みづくりの検討機会の設定が必要であると考えられた。 他方,すべての家族に同等に関係づくりを意図した濃密な個別関わりを行うことは,時間的・人的資源的に十分行うことが困難であることも示された。そのため,日常実践における家族との初回コンタクト時に,継続的な関わりを行うことを家族と共有したうえで,家族の支援ニーズを明確にしてそれを共有できるような,トリアージの必要性が示唆された。すなわち,家族の感情表出の程度や疾病や障害に対する知識や受け止め方の状況,これまでに家族が行ってきた対処を明らかにするニーズアセスメントは,可能な限りすべての家族に対して行い,そのうえで,ニーズの高さから関わりの優先度を確認できる指標設定と,その共有の仕組が必要となると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)