2010 Fiscal Year Annual Research Report
不妊夫婦の喪失と葛藤、その支援―見えない選択径路を可視化する質的研究法の応用的展開
Project/Area Number |
22683016
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
安田 裕子 立命館大学, 衣笠総合研究機構, ポストドクトラルフェロー (20437180)
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Keywords | 質的研究法 TEM / 不妊夫婦 / 喪失経験 / 生涯発達 / ナラティブ / 心理的支援 / 権利擁護 / 協働的実践 |
Research Abstract |
これまでの、不妊治療者の経験をもとに生涯発達心理学の観点から支援の検討を目的とした研究、ならびに質的研究法TEMに関する研究をそれぞれ発展させ、 1.当事者夫婦の喪失や葛藤とその対処過程を捉え、カップルカウンセリングに資する知見を得る 2.社会文化的な諸力と見えない径路を時間経過のなかで可視化するTEMの応用・発展可能性を検討する ことを目的に、次のことを行った。 1)現象理解-インタビューの実施:現在不妊治療を受けている/受けた経験のある女性各1人を対象に、不妊治療経験に関するインタビューを行った。また、生殖医療カウンセラー(男性)を対象に、不妊特有の喪失に関するインタビューを、そして、助産師経験がありかつ助産師の教育に従事している女性研究者を対象に、出産の支援に関するインタビューを行った。 2)対人援助-当事者グループ開催の試み:グループを企画・広報した。このこと自体社会啓発の意義があったが、参加者が見込めず実施には至らなかった。 3)研究協働-国内外での実践知の生成:京都でTEN研究会を4回開催し、TEMの実践上の適用に関する議論を行った。また、国際対話的自己学会(ギリシャ・アテネ)に、研究協力者木戸彩恵氏(京都大学大学院)を同行して参加し、TEMに関する研究発表を行い、海外の研究者と意見交換を行った。この時、TEMに関する著書(2冊目)の刊行に関する協議を共同研究者サトウタツヤ教授(立命館大学)と行い、刊行に合わせて2012年にシンポジウムを開催すべく、TEMを共同で開発したヤーン・ヴァルシナー教授、ならびに対話的自己の世界的第一人者とヒューバート・ハーマンス教授にシンポジウム出席の内諾を得た。国内では、日本心理学会、対人援助学会、日本質的心理学会などに参加・発表し、近接領域の研究者や援助者と知見を共有した。また、ヤーン・ヴァルシナー教授のもとで1週間の在外研究を行い、TEMについて発表し、知見の共有、意見交換を行った。
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Research Products
(14 results)
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[Book] Understanding a person as a whole : Transcending the Anglo-American methodolatry and Continental-European holism through a look at dynamic emergence processes (Methodological thinking in psychology : 60 years gone astray?)2010
Author(s)
Sato, T., Wakabayashi, K., Nameda, A., Yasuda, Y., Watanabe, Y.(Toomela A., Valsiner, J.Eds.)
Total Pages
89-119(345)
Publisher
Information Age Publishing
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