2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22684003
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
浅岡 正幸 京都大学, 理学研究科, 准教授 (10314832)
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Keywords | 幾何学 / 群作用 / 葉層構造 |
Research Abstract |
リー群の局所自由作用の変形空間と変形複体のコホモロジーについて,作用が剛性を持つための十分条件を変形複体のコホモロジーによって記述することができた.しかし,その条件を適用できる具体例を構成できなかったので,それは次年度以降に残された課題となった.また,剛性を持たない場合の条件についても,手掛かりはつかめたものの,実際に検証可能な条件の記述には至らなかった.また,実階数1のリー群の方物型部分群の標準的作用の軌道葉層の剛性を示すためには,「共形構造の関するシュワルツ微分」の理論の整備が必要であることがわかった. 一方で,2004年のBurslem-Wilkinsonによって示された,ある離散可解群の円周への作用の剛性定理の高次元における類似を考えることで,変形空間が有限次元となるような離散群の球面への作用の新しい例を発見した.この例においては,共形構造の存在が変形によって保たれるため,上で挙げた実階数1のリー群に関わる葉層の剛性問題との関連からも興味深いものである.変形空間の有限次元性の証明には,群作用の剛性理論においてこれまでに使われてきたものとは異なるアイデアが用いられており,さらに多くの例の構成と剛性を導く新しいメカニズムの発見に向けて,次年度以降の研究での発展が期待できる. また,本年度は国内外で行われた国際会議に積極的に参加し,本研究課題に関連する発表を行うとともに,関連分野の研究者と情報交換を行い,次年度以降の研究に向けて多くの有益な情報を得た.
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Research Products
(9 results)