2010 Fiscal Year Annual Research Report
高解像度大局数値実験による、降着円盤、天体風における磁気流体乱流過程の研究
Project/Area Number |
22684006
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (A)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
鈴木 建 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (80431782)
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Keywords | 宇宙物理 / 計算物理 / 乱流 / 磁気流体力学 / 降着円盤 / 天体風 |
Research Abstract |
大局降着円盤シミュレーションコードを構築した。当初の予定通り、デカルト座標上のものを極座標に変換し、(r,θ,φ)=(1~20,-0.5~0.5,0-2π)の領域での計算を行った. しかしながら、予想以上に計算時間が掛かることが判明し、また平成22年度末の東北関東大震災の影響もあり、全国各地の共同利用研究所の大型計算機の稼働率が低下したことも相まって、当初予定していた1スケール高を32メッシュ以上で解という高解像度計算が非常に困難となったため、その半分の解像度の計算を行った.現在その結果を解析し、論文の投稿準備中である。この大局円盤数値実験では、局所計算では見えなかった次のような興味深い結果が得られている. (i)従来、質量の中心星への降着を引き起こす角運動量輸送は、磁気乱流による実効的な粘性によると考えられていたが、実際にはこのような乱流粘性のみならず、大域的磁場によるトルクも無視できない働きをする. (ii)大局円盤では物質や磁場の実際の動きを直接捉えることができるが、質量と鉛直方向の磁力線の動径方向速度が異なっているということ。すなわち磁場は周囲のガスに対して拡散しているということである。 以上の結果は、いずれも円盤の一部分を取り出す局所計算では扱えないものであり、本研究のような大域的効果を取り入れる現実的取り扱いにより、初めて明らかになったという観点から非常に重要である。
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Research Products
(3 results)