2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22684011
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
馬場 秀忠 独立行政法人理化学研究所, 情報処理技術チーム, リサーチアソシエイト (10415268)
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Keywords | 中性子過剰核 / 元素合成 / 核データ / データ収集システム |
Research Abstract |
本研究は宇宙および核物理の大きなテーマである元素の起源を解明するために、元素合成に関わる中性子過剰核の核データを収集することを目的としている。必要な核データのうちでも中性子捕獲断面積およびピグミー双極子状態の強度分布を多種多様の軽~中重核について収集する。2007年より運転が開始された理化学研究所RIビームファクトリーでは今まで研究対象になりえなかった安定線から遠く離れた中性子過剰核を大量生成できるようになった。この大強度中性子過剰核ビームを用いれば10日間で100核種もの核データを得ることも可能であるが約100kcpsのトリガーレートでデータ収集できることが要求される。このため高速データ収集システムが必要とされる。 今年度は100kcpsトリガーに耐えうる高速データ収集システムを実現するための開発を行った。中性子過剰核ビームを用いる実験ではイベントバイイベントで粒子識別を行う必要があり、その収集すべきチャンネル数は500を超える。従来のCAMACやVMEを用いたシステムでは多量のモジュールを1台のコントローラで扱うため速度が出ない。そこで今年度はCAMAC/VMEモジュール1台毎に並列データ読み出しするための小さなデータ読み出しコントローラを開発した。近年様々な電子機器に実装されているFPGAとUSB2チップを用いることで安価で高速なデータ収集を可能とした。また検出器からの信号処理の高速化も重要である。これについてはチャージタイミング変換機とマルチヒットTDCを組み合わせてビームライン検出器の高速信号処理が可能であることを実証した。
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