2012 Fiscal Year Annual Research Report
超流動ヘリウム3高偏極状態の実現に向けたスピン流制御の研究
Project/Area Number |
22684019
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
山口 明 兵庫県立大学, 物質理学研究科, 准教授 (10302639)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 低温物性 / 量子流体 / 超流動 / ヘリウム3 / スピン偏極 |
Research Abstract |
p波凝縮によって超流動状態に転移することが知られているヘリウム3に関して研究を行った。核スピンが完全に偏極したヘリウム3の超流動性は、低温物理学の分野においてこれまでに調べられておらず、その解明を行うのが本研究の目的である。そのためにA1相と呼ばれるクーパー対が完全にスピン偏極した超流動の性質を利用して、高偏極超流動ヘリウム3の生成に取り組んだ。基本的な原理は、スピン偏極したA1相の超流動成分をスーパーリークと呼ばれるフィルターを通して集め、高偏極液体を蓄積するというものである。計画最終年の本年度では、実験の中心的な役割を果たすスーパーリークスピンフィルターの開発に取り組み、実験を行った。 これまでに我々のグループで扱ってきたスーパーリークはスリット型、ガラスキャピラリー型などであったが、いずれも常流動成分を完全にブロックできないという問題点があった。そこで、流量インピーダンスを大きくできると期待されるアルミナ粉充填方式のPAPスーパーリークを作成した。まず、最適な粒子径、充填率などをコゼニーカルマン式などを使って予め見積もり作成を開始した。いくつかのサンプルの流量インピーダンスを実測し、その孔径分布を水銀圧入法を使って見積もり、PAPスーパーリークの流量インピーダンスに関する議論を行った。作成したPAPスーパーリークの超流動状態における動作確認を行うため、東京大学物性研究所の超低温・強磁場施設を利用して、超流動状態での検証を行った。その結果、実際に超流動状態においてスーパーリークとして働くことが確認された。以上の結果は、物理学会、量子流体固体に関する国際会議において発表した。また、兵庫県立大学理学部で上記超低温実験を行うための冷凍機を作成し、約1mKの冷却に成功し、実験を行える体制を完成させた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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[Journal Article] Development of a 3He-hydraulic actuator for spin pump in superfluid 3He-A12012
Author(s)
A. Yamaguchi, M. Wada, H. Tanaka, G. Motoyama, A. Sumiyama, Y. Aoki, Y. Okuda, S. Murakawa, Y. Karaki, M. Kubota, and H. Kojima
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Journal Title
J. Phys.: Conf. Ser
Volume: 400
Pages: 012081
DOI
Peer Reviewed
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