2012 Fiscal Year Annual Research Report
レーザー冷却イオンで実現する極低温中性原子気体の局所物性研究
Project/Area Number |
22684021
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
向山 敬 電気通信大学, 先端領域教育研究センター, 特任准教授 (70376490)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | レーザー冷却 / イオントラップ / 原子・分子物理 |
Research Abstract |
本研究ではこれまで全く別の実験系として扱われてきたイオントラップと中性原子のトラップを同一空間中に実現し、その両者の相互作用を利用して中性原子気体の局所的な物性の評価や局所的な励起を行う手法を実現することを目的として進められてきた。本研究では超流動の物理を研究する対象として中性原子6Liを、またこの原子種との混合系を作成した際のトラップの安定性・熱平衡への到達し易さなどを考慮して40Ca+をイオン種として選定した。実験ではトラップされたイオンからの蛍光をPMT検出器で観測するとともにCCDカメラで空間的な分布も測定した。精密な調整の結果、トラップしたイオンが10分程度監視していてもロスしない程度の長寿命を実現することができた。また、イオンの数を減らしてRF電場による加熱の影響を小さくしていくことで、イオンの結晶化の観測にも成功した。結晶化が見えたことからレーザーによってイオンが効率よく冷却されていることが分かる。また中性原子についても磁気光学トラップから光双極子トラップに原子を移行し、トラップされた中性原子をイオントラップ領域に輸送することにも成功した。本研究ではイオンと中性原子の温度はそれぞれ0.1~1Kと100K程度であり、中性原子のトラップ深さが1mK以下であることから、両者が弾性散乱を起こすと中性原子のロスとして観測される。我々はこの原子のロスレートからイオン―原子間の弾性散乱断面積を決定し、さらにその衝突エネルギー依存性を決定することに成功した。我々の測定した弾性散乱断面積の衝突エネルギー依存性は半古典理論による計算と良い一致を示すことも実験的に確認された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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