2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22684022
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高須 洋介 京都大学, 理学研究科, 助教 (50456844)
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Keywords | レーザー冷却 / 量子縮退 / フェルミ縮退 / 量子相転移 |
Research Abstract |
本研究の最終目標は、電子基底、振動基底、かつ回転基底状態にある極性分子であるYbLi分子を実現し、量子スピン系の1つである、Lattice-spin模型を実現することである。まずYb原子団、およびLi原子団を同時に同一の光トラップに捕獲し、同時に量子縮退を実現する。その後光格子中の1つの格子にYb原子、Li原子を1つずつ捕獲する。その後、光による会合で振動・回転基底状態の分子を生成し、Lattice-spin模型を実現する。平成22年度では、ボソン・フェルミ混合量子縮退系の実現を目指して、同時光双極子力トラップおよび量子縮退実現のための蒸発冷却の改良を行った。その結果、Li原子をYb原子による蒸発冷却で共同的に冷却することにより、フェルミオンである6Liとボソンである174Ybの混合系を用いて、BEC-フェルミ縮退混合系の生成にも成功した。温度はLiが290nKでフェルミ温度の0.08倍、YbはBEC転移温度以下の280nKであった。また、6Li-173Yb原子の同時フェルミ縮退に成功した。温度はLi原子が220nKでフェルミ温度の0.07倍、Yb原子が170nKでフェルミ温度の0.52倍であった。また、Yb-6Li間のs波衝突断面積を実験により初めて測定することにも成功した。以上の結果は、世界で初めての成果であり、その意義はとても高い。また、これらの成果を国際会議における招待講演のほか、学術誌等での発表を行った。
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