2011 Fiscal Year Annual Research Report
X線照射損傷の時空間分割測定を可能にする、高分解能結像型軟X線顕微鏡の開発
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22684023
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Research Institution | Japan Synchrotron Radiation Research Institute |
Principal Investigator |
為則 雄祐 公益財団法人高輝度光科学研究センター, 利用研究促進部門, 副主幹研究員 (10360819)
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Keywords | 軟X線顕微鏡 / 結像型顕微鏡 / X線照射損傷 |
Research Abstract |
波長が短いX線を利用すると、可視光を用いる光学顕微鏡よりも高い空間分解能を得ることができるため、X線を利用した試料観察法は広く利用されている。ところが、軟X線は物質の吸収係数が大きく、吸収された軟X線は物質中で熱に変換されたり、イオンや電子を大量に発生させることで試料に損傷を与える。軟X線照射に由来する試料損傷の問題は、生物試料や有機材料の軟X線分光研究において古くから指摘されており、測定データの信頼性に深く関わる重要な問題としてその影響が議論されてきた。本研究では、軟X線照射によって生じる化学状態変化を実時間追跡することを最終目標として、その要となる全反射鏡を用いた結像型軟X線分析鏡の開発を行った。 初年度の検討に基づいて、4枚の球面鏡から構成される結像型顕微鏡の設計・製作を行った。しかしながら、平成23年度に購入予定であった高精度球面鏡が、入札時の障害によって同年度内に入手できなかった。そのため、平成24年度に改めて入札による調達を実施し、4枚組の高精度球面鏡を作成した。作成した球面鏡は前年度に製作した結像型顕微鏡の位置調整機構に組み込み、光学素子のオフライン調整を行うとともに、レーザーを用いて4枚の球面鏡の位置を精密調整するための手順の確立を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
平成23年度中に高精度球面鏡を調達し、軟X線結像型顕微鏡として組み上げる予定であったが、資材の調達時に問題が生じたため、23年度中に装置をくみ上げることができなかった。 当初は、平成23年度中に軟X線結像型顕微鏡を完成させ、平成24年度には放射光を用いた集光テストを実施する計画であったが、高精度球面鏡の調達の遅れの影響により、装置の製作が平成24年度にずれ込んでいるため、研究計画に1年近い大幅な遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
軟X線結像型顕微鏡の位置調整機構の設計・製作は概ね完了しているため、高精度球面鏡を設置し、軟X線結像型顕微鏡としての組み上げ作業を平成24年度前半に行う予定である。 その後、オフラインにおいて集光テストを実施した後に、放射光ビームラインに装置を配置する。放射光を用いて4枚組集光鏡の位置微調整手順を確立し、サブマイクロメートルの軟X線集光テストを行うとともに、製作した集光システムの性能評価を行う予定である。
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