2012 Fiscal Year Annual Research Report
機能性酸化物表面における光触媒機能の1分子分析とメカニズム解明
Project/Area Number |
22685002
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
奥山 弘 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (60312253)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 走査トンネル顕微鏡 / 水素 / 水分子 |
Research Abstract |
Cu(110)に吸着した水分子について吸着状態、反応、水素結合ダイナミクスなど、走査トンネル顕微鏡(STM)を用いて1分子分析を行った。水分子からSTM操作により水酸基を作成し、水分子1個と水酸基2個の複合体を用いてプロトンリレー反応を観測した。さらに水酸基の数を4個まで拡張することで、長距離を移動するプロトンリレーの観測に成功した。反応は水分子の振動をSTMで励起することで誘起され、そのメカニズムについて理論計算との共同研究により明らかにした。次に、触媒反応のモデルとして、一酸化窒素分子の還元反応が水分子の存在により促進されることを明らかにした。6 Kにおいて一酸化窒素はCu(110)表面に直立状態で吸着する。これに水分子が反応すると、水素原子を一酸化窒素に供与することで安定な水素結合複合体が形成される。走査トンネル分光によると、水素結合形成によって一酸化窒素の非占有電子状態が一部占有することが示された。プロトン供与により、基板電子が一酸化窒素に移動していることを示している。すなわち、水分子との反応により一酸化窒素の結合が弱められる。さらにもう一つの水分子が反応すると、一酸化窒素の結合が完全に解離することが明らかとなった。このように、一酸化窒素の還元反応において水分子が本質的な役割を果たすことが示された。一方、100 Kで一酸化窒素は表面に対してほぼ平行に吸着すること、これは解離反応への前駆体であり、さらに150 K付近で解離反応が進行することを電子エネルギー損失分光により明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)