2010 Fiscal Year Annual Research Report
高強度・円偏光レーザー場による原子・分子内環電流・誘起磁場の実証と解明
Project/Area Number |
22685004
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
赤木 浩 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究副主幹 (70354818)
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Keywords | 電子ダイナミクス / 中赤外レーザー光 / 円偏光 / イオン化 |
Research Abstract |
高強度レーザーによる新規な原子・分子制御法の開発を目指し、高強度レーザー場によって誘起される電子波束および磁場ダイナミクスの解明を行う。理論予測されている高強度・中赤外(~10μm)円偏光レーザー照射による原子・分子内環電流および磁場発生を実証することを目標とする。 本年度は、中赤外レーザー光源の整備、および中赤外ポンプ-近赤外プローブによる時間分解光電子分光計測システムの構築を行った。まず、中赤外レーザー光を発生する光パラメトリック増幅器の購入・整備を行った。発生した中赤外光の波長・時間幅を評価するために、光パラメトリック増幅器の励起光(800nm)との和周波発生による交差相関測定システムを構築し、5~10μmの波長領域で時間幅が約100フェムト秒と決定した。 その後、中赤外ポンプ-近赤外プローブの光学システムを構築し、エタノール分子のイオン化を対象とした予備実験を行った。中赤外レーザー出力が、10μm付近では低く(~4μJ)、エタノール分子をイオン化するには充分ではないため、高出力が出せる1.3μm(~150μJ)で行った。エタノール蒸気を導入した光電子-光イオン分光用チャンバーに、1.3μmおよび800nmのレーザー光を放物面鏡を利用して集光しながら導入し、2色のレーザーパルスが時間・空間的に重なった時に親イオンおよび解離生成イオンの量が増大することを確認した。また、2色のレーザーの偏光関係の変えた場合、イオン種ごとに生成量の変化が異なることを確認した。
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Research Products
(4 results)