2012 Fiscal Year Annual Research Report
走査型電子増強ラマン分光顕微鏡の開発と界面化学計測への応用
Project/Area Number |
22685009
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
由井 宏治 東京理科大学, 理学部, 准教授 (20313017)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 走査型顕微鏡 / レーザー / ラマン散乱 / 水 / 界面 |
Research Abstract |
当該年度は、装置面ではAFM・STMのシステムを倒立型顕微鏡への組み合わせ、またFMモードでの作動、試料面では、カーボン系材料(グラフェン、カーボンナノチューブ)、蛋白質、脂質ナノチューブの計測を行った。 倒立型顕微鏡上へのAFM探針・STM短針などいわゆる走査型探針ステージの設営は、不均一な試料上の任意のポイントでの計測を可能にするため操作性を大幅に向上させる。このとき、まず当初の計画どおりレーザー光路を探針に直接照射する方法で確認したが、溶液中では溶液による散乱・屈折などの問題で、大気中でのグラファイト表面やカーボン電極上に散布したカーボンナノチューブ系での測定に留まってしまった。 本課題の最終目標が溶液中であるため、当初計画していた直接探針への光照射ではなく、急遽全反射プリズムの上にITOを塗付し、その上に溶液をのせ、探針が接近するシステムへの変更を行った。試料としては具体的には線維状のアミロイドβ蛋白質で実験を行い、その結果、全反射プリズムの上にITOを着けて全反射励起で照射する方法でラマン分光計測ができることを確認した。またアミロイドβ蛋白質や、脂質ナノチューブ、脂質ナノプレートに探針を押し込むことで、力学物性計測ができることも確認した。装置の完成まではあと1年程度を要する見込みとなってしまったが、力学的に変形を加えながらのラマン分光計測へも路を拓くことができた。これにより脂質や蛋白質(の集合体の)弾性物性の分子起源に迫れる可能性が高まった。 空間分解能、表面凹凸検知能をこの新しい光学配置で実現するべく、金属を配位した脂質ナノチューブでの水中FM-AFM計測を金沢大学福間剛士教授の御助言・ご協力をいただき、分子レベルでの解像度があることを確認、また東京理科大学駒場慎一教授の御助言・ご協力のもと、電池の電極材料表界面への計測への展開が開かれた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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