2011 Fiscal Year Annual Research Report
超分子複合体の凝集変換に基づいたダイナミック発光素子の創製
Project/Area Number |
22685014
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤内 謙光 大阪大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (30346184)
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Keywords | 超分子化学 / 発光材料 / 有機結晶 / 結晶工学 / スルホン酸アミン塩 / ホストゲスト化学 / 固体蛍光 / スイッチング |
Research Abstract |
本研究ではレアメタルに頼ることなく、入手しやすい軽元素(c,N,O,Si,S)のみによって構成され、様々な物理刺激(熱、光、力)および化学刺激(ガス、有機溶剤、イオン等)によって光電特性を劇的に変換する、ダイナミック発光素子の創製とその変換機序の解明を目的としている。上記目的を達成するため本年度は、以下の3項目を行った。 1.昨年に引き続き、多環式芳香族化合物に酸性基を導入した機能団分子を合成した。1,8-アントラセンジスルホン酸を合成した。得られた機能団分子をトリフェニルメチルアミンと組み合わせて、を超分子クラスター作成した。この超分子クラスターを種々の溶媒から再結晶を行い、揮発性有機物資(VOC)を取り込んだ包接結晶を作成した。 2.単結晶X線構造解析により超分子集合を明らかにした。放射光施設SPring8(ビームラインBL38B1およびBL19B2)を利用し、研究室では測定が困難な極めて小さな結晶の構造解析にも成功した。 3.種々のVOCを取り込んだ物質の分光学的分析を行った。その結果、VOCに応じて、青色から橙色まで120nmもの極めて幅広い発光色の変化を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年度はVOCに応じて、青色から橙色まで120nmもの極めて幅広い発光色の変化を得ることができた。これは発光材料を変えることなく、分子の凝集様式を制御することで達成できたもので、このような研究結果はこれまでに例がなく、センシングデバイスへの応用が極めて有望である。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は極めて幅広い発光色の変化を示す蛍光性包接結晶が得られた。最終年度では化学刺激、熱刺激、光刺激、機械刺激によって分子の凝集を変換し、その変換を発光色の変化へと転写することによって本研究の目的であるダイナミック発光素子を完成させる。
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