2010 Fiscal Year Annual Research Report
金属酸化物ナノシート・金属錯体を活用した次世代外場応答性イオン液体の創成
Project/Area Number |
22685015
|
Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
吉田 幸大 名城大学, 総合研究所, 助教 (10378870)
|
Keywords | イオン液体 / 有機-無機ナノコンポジット / 金属酸化物ナノシート / 金属錯体 / 外場応答 / プロトン伝導 / 発光特性 / レオロジー |
Research Abstract |
研究代表者らが見出した室温一段階法により合成した負電荷MnO_2ナノシート上で、四級アンモニウム部位を有するtrimethoxysilaneのグラフト重合を行うことにより、イオン性粘弾性ナノコンポジットを得た。このナノコンポジットは、MnO_2層間に有機成分が挿入された層状構造(層間距離:3.03nm)をもち、基板上で伸ばすだけで100nm以下の膜に成形できる。複素弾性率測定ではshear-thinning挙動が観測され、降伏応力は約7×10^3Paと見積もられた。また、湿度によりプロトン伝導度が顕著に変化することを見出した(95%RH、70℃でのプロトン伝導度:1.3×10^4Scm^<-1>)。活性化エネルギーの絶対値や湿度依存性から、Grotthuss機構によるプロトン伝導が示唆された。また、陽イオン種による粘弾性挙動の違いについても知見を得た。 同様の手法を用いて、Ti_<1-δ>O_2ナノシートから成るイオン性粘弾性ナノコンポジットを得た。MnO_2ナノシートから合成したナノコンポジットと同様に層状構造(層間距離:3.16nm)をもち、優れた成形性を有する。複素弾性率測定では3次元的ネットワークの形成が示唆された。また、バンド間(バンド端)遷移による発光バンドが397nmに観測され、白色光照射によるプロトン伝導度の顕著な増加が観測された。現在は、別種の金属酸化物ナノシートやプルシアンブルーナノ粒子を用いた液体ならびに粘弾性固体の開発を行っている。
|
Research Products
(8 results)
-
-
-
[Journal Article] Preparation, Structures, and Physical Properties of Tetrakis(alkylthio)tetraselenafulvalene (TTC_n-TSeF, n=1-15)2010
Author(s)
G.Saito, Y.Yoshida, H.Murofushi, N.Iwasawa, T.Hiramatasu, A.Otsuka, H.Yamochi, K.Isa, E.Mineo, M.Konno, T.Mori, K.Imaeda, H.Inokuchi
-
Journal Title
Bulletin of the Chemical Society of Japan
Volume: 83
Pages: 335-344
Peer Reviewed
-
[Journal Article] Ionicity Phase Diagram of Trifluoromethyl-TCNQ (CF_3TCNQ)Charge Transfer Solids2010
Author(s)
G.Saito, H.Ikegami, Y.Yoshida, O.O.Drozdova, K.Nishimura, S.Horiuchi, H.Yamochi, A.Otsuka, T.Hiramatsu, M.Maesato, T.Nakamura, T.Akutagawa, T.Yumoto
-
Journal Title
Bulletin of the Chemical Society of Japan
Volume: 83
Pages: 1462-1480
Peer Reviewed
-
-
-
-