Research Abstract |
本研究では,ナノ粒子と有機デンドロン分子とを共有結合的にハイブリッド化することにより,"液晶性有機無機ハイブリッド超格子"を構築することを目的とする.この際,メタマテリアルの概念を導入し,理論的計算によりあらたな機能を発現することが示唆されている構造をターゲットとしてハイブリッド構造を設計・構築する.さらには,得られた"液晶性有機無機ハイブリッド超格子"構造の相転移を誘起し,電磁波制御メタマテリアルとしての人工機能のオンーオフに繋がる材料開発を行うことを目的としている.一方で,用いるデンドロンの世代やナノ粒子の粒径を精密に制御することで,分子量超精密制御ハイブリッド粒子を調製する手法を開拓する.本年度は特に表面宮能基修飾無機ナノ粒子の合成法探索を重点的に行った.具体的には,チオカルボン酸を用いて表面カルボキシル基修飾金ナノ粒子およびカルコゲン系半導体ナノ粒子の合成を行った.この際反応条件を最適化することにより,粒径を段階的に制御する手法を確立することができた.一方,ナノ粒子表面を修飾するための有機分子としては,アミノ基を有するデンドロンに着目し,その合成を行った.さらに,ナノ粒子とデンドロンとを共有結合させることにより,ナノ粒子表面へデンドロン分子を高密度充填する手法を開発することができた.得られたハイブリッド材料に関し,示差走査熱量分析,動的粘弾性測定,超小角X線散乱,偏光顕微鏡等を用いて構造解析を行ったところ,液晶性を示す事が明らかとなり,有機無機ハイブリッドナノ粒子の開発を行う事ができた.得られた成果を国内外での学会において,招待講演6件として報告した.
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