2011 Fiscal Year Annual Research Report
液晶性有機無機ハイブリッド超格子:電磁波制御メタマテリアルの創製
Project/Area Number |
22685019
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
蟹江 澄志 東北大学, 多元物質科学研究所, 准教授 (60302767)
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Keywords | ナノ粒子 / 液晶 / メタマテリアル / デバイス / 自己組織化 |
Research Abstract |
本研究では,ナノ粒子と有機デンドロン分子とを共有結合的にハイブリッド化することにより,“液晶性有機無機ハイブリッド超格子”を構築することを目的としている.この際,計算科学の分野で先行しているメタマテリアルの概念を導入し,理論的計算によりあらたな機能を発現することが示唆されている構造をターゲットとしてハイブリッド構造を設計・構築することを念頭に研究を行った.さらには,得られた“液晶性有機無機ハイブリッド超格子”構造の相転移を誘起し,電磁波制御メタマテリアルとしての人工機能の ON-OFF に繋がる材料開発を行うことを目的として研究開発を行った.一方で,用いるデンドロンの世代やナノ粒子の粒径を精密に制御することで,分子量超精密制御ハイブリッド粒子を調製する手法を開拓することとした.具体的には,液晶性有機無機ハイブリッド超格子”を構築するためには,厳密な粒径・分子量制御が必須であると捉えた.平成23年度は,平成22度に合成した無機ナノ粒子および有機デンドロンを共有結合を介してハイブリッド化した.さらに,得られたハイブリッドナノ粒子調製法を導電性および半導体無機ナノ粒子に適用し,種々粒径の異なるハイブリッド粒子を調製することで,メタマテリアル構築の基材となる液晶性有機無機ハイブリッドを得た.得られた成果は,今後,スイッチ・光変調機能などのメタマテリアル特性の ON-OFF 制御が可能なデバイスの創成につながることが期待できる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
液晶性有機無機ハイブリッド超格子”を構築するためには,厳密な粒径・分子量制御が必須であると捉え,平成22年度に合成した無機ナノ粒子および有機デンドロンに対し,共有結合を介したハイブリッド化手法の確立に取り組み,反応溶媒を最適化する事によりハイブリッド化の条件を確立した.さらに,確立したハイブリッドナノ粒子調製法を導電性および半導体無機ナノ粒子に適用し,種々粒径の異なるハイブリッド粒子を調製した.その結果,メタマテリアル構築の基材となる液晶性有機無機ハイブリッドを得ることに成功し,順調に研究が進展した.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度までに得られた導電性・半導体ハイブリッドナノ粒子に関する知見をもとに,種々粒径の異なるハイブリッド粒子を調製し,複合超格子構造からなる液晶性ハイブリッドを調製する.さらに,デンドロンの特性を活かし,ナノ粒子に熱的な膨潤・収縮性の付与を検討する.また,その性質を活用した液晶相転移を実現することで光スイッチ・光変調機能などのメタマテリアル特性の ON-OFF 制御が可能なデバイスの創成につながるハイブリッド材料を開発する.また,液晶性を示す導電性・半導体ハイブリッドナノ粒子を混合し,そのサイズ比および混合比の違いによりどのような液晶相,超格子構造が形成されるかを超小角 X 線散乱測定および透過型・走査型電子顕微鏡観察などにより調べる.さらに,液晶相転移を誘起することで複合超格子構造のダイナミックな変換を行うことでメタマテリアル特性の ON-OFF 制御を試みる.
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